日本ではNISA(少額投資非課税制度)を通じて投資信託を買う人が増えています。では、世界ではどのくらいのお金が投資信託で運用されているのでしょう。一般社団法人 資産運用業協会では、四半期ごとに世界の投資信託市場動向を公表しています。
世界の投信残高が95.20兆ドルまで拡大
世界の投資信託市場の残高は、2026年6月末で95.20兆ドル。同年3月末の87.31兆ドルから9.0%増えています。
6月末時点の世界の投信残高95兆ドルのうち、半分を株式投信が占めています。株式投信は47.53兆ドルで50%、公社債投信は17.65兆ドルで19%、バランスファンドは9.09兆ドルで10%でした。なお、MMFは13.72兆ドルで14%となっています【グラフ1】。

2026年3月末に比べた各カテゴリの残高の増減率は、株式投信が14.6%増、公社債投信が4.1%増で、バランスファンドは7.4%増え、MMFは1.8%増加しました。
多くの投資ビギナーは、「投資信託の残高が増えた」と聞いたとき、「運用対象の株式や債券が値上がりしたから」と思うのではないでしょうか。
しかし、投資信託の残高が増減するのは、運用している資産の値上がり・値下がりだけではありません。
投資信託の残高が増減する要因は、大きく分けて2つあります。
(1)保有している株式や債券などの値動き
(2)投資家による資金の出入り
つまり、投資信託の残高は、価格変動と資金の流入・流出が影響しています。
では、2026年第2四半期(4~6月)には、どのような投資信託に、どれだけの資金が入ってきたのでしょうか。次で見ていきましょう。
投資資金を集めているのは公社債投信
2026年第2四半期(4~6月)は世界全体の投信に1兆340億ドルの資金純流入がありました。そのうち、株式投信は1,390億ドルの純流入ですが、公社債投信には5,500億ドルの純流入で、株式投信の約4倍もの資金を集めました。
しかも、株式投信への純流入額は2026年第1四半期(1~3月)の1,960億ドルから減少しています。株式投信の残高は大きく増えているものの、新たな資金は株式投信以上に公社債投信へ向かっているのです。
では、これは今期だけの現象なのでしょうか。過去10年間について、四半期ごとの株式投信と公社債投信への純流出入額を振り返ってみましょう【グラフ2】。

注)「資金純流出入」は、設定(再投資分含む)-解約・償還+乗換分。
なお、資金純流出入のデータを提供している国は四半期によって多少異なりますが、おおむね45か国前後から提供されており、資金純流出入データを提供した国の残高は、各四半期に残高データを提供した国全体の95%程度を占めています。
長期データで見てみると、じつは、公社債投信への資金流入が株式投信を上回る四半期がかなり多いことがわかります。
さらに、2021年も重要です。世界全体の投信への純流入が非常に大きく、株式にも公社債にもかなり資金が入っています。2021年には、株式投信、公社債投信ともに、各四半期で2,000億~3,000億ドル台の純流入が続きました。
ところが、2022年には様相が一変し、純流出する四半期が現れるようになりました。2023年以降は公社債投信への純流入が再び目立つようになり、2026年第2四半期には5,500億ドルまで膨らみました。
公社債投信への資金流入と金利
公社債投信への資金の流れを見るうえで、押さえておきたいのが金利です。
市場金利が高い局面では、新たに発行される債券などから得られる利回りも高くなり、債券が投資対象として注目されやすくなります。
一方、すでに発行されている債券の価格は金利上昇時には下落します。したがって、「金利上昇=債券投信に有利」と単純にはいえません。それでも、金利水準は債券投資を考えるうえで重要な要素となっています。
ただし、投資信託への資金流出入は、金利だけで決まるものではありません。株式市場の動向や投資家のリスクに対する姿勢など、さまざまな要因によって変わります。
「残高」だけでなく「資金の流れ」にも注目
投資信託の統計を見るときは、残高の増減だけでなく、資金がどこから入り、どこから出ているのかにも目を向けてみましょう。値動きだけでは見えなかった、世界の投資マネーの動きが見えてくるかもしれません。
【参考サイト】
『投資信託の世界統計』一般社団法人 資産運用業協会
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