夏のボーナスの時期です。専業投資家や自営業でボーナスはありません、という方ももちろんいらっしゃるでしょうが、それはそれとしてサラリーマンの方にとってはまとまったお金を手にする機会ですから、何に使うか悩みますよね。
推し活など趣味に使う人、ローンの支払いに充てる人、はたまた株の購入資金にする人などもいるでしょう。
近頃は企業の賃上げも進んでいるということですからボーナスはどうなっているのかも気になるところです。そこで2025年のボーナスについて、調べてみました。
帝国データバンクが6月13日に公表した「2025年夏季賞与に関する企業の動向アンケート」によると、今年はボーナスが増加したと答えた企業が33.7%(前年比5.8ポイント減)となったようです。また、変わらないが37.0%(同2.8ポイント増)、減少するが12.0%(同0.7ポイント増)となりました
合計すると、賞与ありの企業は82.7%となり、前年(85.0%)から2.3ポイント低下。一方で賞与なしの企業は13.0%(同2.7ポイント増)となっています。
また、企業の規模別にみると、賞与が増加した割合は「大企業」が38.4%。前述した全体での割合33.7%を4.7ポイント上回っています。反対に「中小企業」については33.0%と全体を下回る割合。特に「小規模企業」では27.0%となっており、ボーナス増といっても企業間で格差がみられています。
2025年夏季賞与の支給額
(帝国データバンク公表資料よりDZHFR作成)
ボーナスの「支給額」については、「30万~50万円未満」の企業の割合が34.8%で最も高くなっています。次いで「50万~75万円未満」が24.7%、「15万~30万円未満」が21.8%となっており、全体の平均では45.7万円。これは2024年の43.9万円から1.8万円増加したかたちです。
一部報道では、ボーナスだけで100万円超や200万円などといった企業もあるようですが、アンケートを見る限りでは、100万円超の割合は全体の5.0%、さらに200万以上のとなると0.1%に過ぎません。中央値は40.0万円となっており、同水準が割合としては最も多いようです
企業がこれだけ賃上げを進めているなかで、賞与が増えた企業は逆に減少しており、賞与無しの企業が増えているというのは不思議な気もします。これは賞与を廃止して年俸制に移行している企業があることなども影響しているかもしれません。
そのほか、アンケートをまとめた帝国データバンクによれば、夏の賞与を据え置き、または減らす企業の多くは原材料費や人件費など各種コストの上昇のほか、需要の低迷などによる収益の圧迫を理由にあげていたようです。
ここ数年でコスト上昇を価格に転嫁してきた結果、名目賃金の上昇を上回る物価上昇が続いており、実質賃金は低下しています。そうした影響から消費者の購買力が低下している影響がボーナスにも出ているのでしょう。
また今年ならではの要因としては、「トランプ関税などで先行きが不透明なため、夏季は控えめに支払い、関税の影響がなければ夏の不足分を冬で支払う」いった企業の声も寄せられたようです。アメリカの関税政策などの先行きが見通せないことには、確かに思いきった支給もしづらいということで、トランプ関税の思わぬ余波が我々のボーナスにも及んでいると言えます。