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相場下落でも投資行動は変わらず ~2026年3月投資信託概況から~

2026年3月は、中東情勢の緊迫化を受けて世界中のマーケットが下落しました。3月末時点の投資信託市場は、前月末に比べて残高が11ヵ月ぶりに減少。その一方で、資金流入は続きました。


この4月、投資信託協会と日本投資顧問業協会が統合し、新たに資産運用業協会として生まれ変わりました。資産運用業協会が公表した2026年3月末時点の「投資信託概況」から、トピックをご紹介しましょう。


株式投信の残高は305兆円、ETF除くベースで290兆円


2026年3月末時点における国内籍の公募証券投信全体の純資産総額は、MRF(マネー・リザーブ・ファンド)などの公社債投信やETF(上場投資信託)を含む全体で305兆4,713億円でした。「国内籍の」とは、日本国内で設定されているということで、投資対象は国内に限りません。


公社債投信を除いた公募株式投信の純資産総額は、289兆552億円でした。そのうち国内のみに投資するものは140.08兆円で株式投信の48.4%、海外は76.86兆円で26.6%、国内外に分散投資するものは72.11兆円で24.9%でした。海外を含む投信の残高が、国内のみの投信をわずかに上回っています【グラフ1】。



また、投資対象別では、国内外を問わず株式のみに投資をするものが79.7%を占め、債券のみは6.6%、不動産投信は3.1%、その他が1.6%となっており、「バランスファンド」などと呼ばれる分散投資を効かせた資産複合は9.0%でした。


投信全体・株式投信ともに、残高は11ヵ月ぶりの減少


2026年3月は、中東地域の緊張の高まりなどを受けて、世界の株式市場が不安定な動きとなりました。投資環境も落ち着かない状況が続き、国内籍の投信残高は、2月に比べて減少しました。


公社債投信とETFを含めた公募投信全体における2026年3月の残高は、過去最高の残高を更新した2月の329兆8,023億円から7.4%減で24兆円余りの大きな減少となりました。


公社債投信を除いた公募株式投信の純資産総額も11ヵ月ぶりの前月比減少で、7.5%減。さらにETFを除いた公募株式投信の純資産総額は175兆1,666億円で、こちらも11ヵ月ぶりの前月比減少でした。


11ヵ月前というのは、2025年4月のこと。トランプ政権による追加関税措置が実施されたタイミングです。世界的にマーケットが冷え込み、投信の残高も減少しました。その時以来の残高減が2026年3月です。直近10年間の投信残高の推移を【グラフ2】に示しました。



いずれも、過去最高だった2026年2月から大きく下落していますが、ETFを除いた株式投信の下落率が最も小さくなっています。


下落のさなかでも投信には資金が集まった


投信の純資産総額が増減する要因は、「資金の流出入による増減」と「運用による時価の増減」の2つです。投信の「資金の流出入」は、設定額から解約金額や償還金額を差し引いて求められます。この値がプラスであれば「純流入」で、マイナスの月は「純流出」を示します。


【グラフ3】は、株式投信における「資金の流出入による増減」と「運用による時価の増減」の直近2年間の推移です。



2026年3月は、運用によるマイナスが大きくなっていることが読み取れます。一方、資金の流出入を見ると、株式投信とETFを除いた株式投信の両方が純流入となりました。特に最近の中でも比較的多くの資金を集め、投資環境が悪化した局面で投資家は購入に動いたことがわかります。


同様に、先に触れた2025年4月の追加関税措置が実施された時期も、運用による評価減の中で比較的大きな資金流入となっていました。


金融市場の下落に見舞われると、「投資はやはり怖い」「株式や投信は売った方が良いのか」などという声が上がります。新NISA(少額投資非課税制度)がスタートして以後、株式投信は継続的に買い付けられており、特に下落局面では平常時よりも資金が集まる傾向となっています。


相場の変動とは対照的に、投資家の資金は継続的に市場へ流入しています。長期・分散・積立といった資産形成の考え方が、着実に浸透していることを示す動きといえるでしょう。


【参考サイト】

●一般社団法人 資産運用業協会「統計データ」

https://www.toushin.or.jp/statistics/statistics/data/

ファイナンシャル・プランナー

石原 敬子

ライフプラン→マネープラン研究所 代表 ファイナンシャル・プランナー/CFP®認定者。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。終活アドバイザー® 大学卒業後、証券会社に約13年勤務後、2003年にファイナンシャル・プランナーの個人事務所を開業。大学で専攻した心理学と開業後に学んだコーチングを駆使した対話が強み。個人相談、マネー座談会のコーディネイター、行動を起こさせるセミナーの講師、金融関連の執筆を行う。近著は「世界一わかりやすい 図解 金融用語」(秀和システム)。

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