KADOKAWA vs パピレス:2026年3月、コンテンツ好きが選ぶべき株主優待の正解

投資家にとって3月は、数多くの企業が権利確定日を迎える「優待の祭典」とも言える月です。特にエンターテインメントやメディア事業を展開する企業の優待は、自社サービスを直接体験できるものが多く、ファン投資家にとって非常に魅力的な選択肢となります。


今回は、コンテンツ業界の巨頭であるKADOKAWAと、電子書籍の老舗パピレスの2社に焦点を当て、2026年3月に優待目的で取得するならどちらが賢明な選択かを徹底比較します。



KADOKAWA:長期保有で真価を発揮する多角化優待

KADOKAWAの株主優待制度は、一言で言えば「ファンのための長期継続保有特典」です。最大の注意点は、権利を得るために「1年以上の継続保有」という条件があることです。毎年3月末および9月末の株主名簿に、同一株主番号で連続3回以上記載されている必要があります。つまり、2026年3月に初めて優待を受け取るためには、遅くとも2025年3月の権利確定時から株式を保有し続けていなければなりません。ですので、2026年3月の取得は2027年3月のためとなります。

優待内容は、保有期間と株数に応じて付与される「株主優待ポイント(1ポイント=100円以上相当)」です。


・100株以上300株未満・1年以上3年未満の保有で30ポイント(3000円相当)

・継続保有期間が長くなるほどポイントは増額され、500株以上を7年以上保有すれば最大80ポイント(8000円相当)に達します。


このポイントの魅力は、その圧倒的な選択肢の広さにあります。電子書籍ストア「BOOK☆WALKER」のギフトカードや読み放題コース、ニコニコプレミアム会員権といったデジタルサービスはもちろん、最新のBlu-ray/DVD、人気ゲームソフト、さらには「ところざわサクラタウン」の共通商品券やオリジナルグッズまで、KADOKAWAグループの多角的な事業を網羅したカタログから選ぶことができます。


【参考:KADOKAWAの週足チャート】



パピレス:シンプルかつ高還元、即戦力の電子書籍優待

一方、パピレスの優待制度は非常にシンプルで即効性が高いのが特徴です。 対象は3月31日現在で100株以上を保有している株主で、KADOKAWAのような数年単位の継続保有条件はありません。

優待内容は、自社が運営する電子書籍サイト「Renta!」で利用可能な1万ポイント(1万円+消費税相当)と交換できるギフトコードです。


・100株の保有だけで、一気に1万円分以上の読書を楽しめる還元率は、コンテンツ系優待の中でもトップクラスのインパクトを誇ります。


「Renta!」はスマートフォンやタブレットで気軽にマンガなどをレンタル・購入できるサービスであり、普段から電子書籍でマンガを嗜む層にとっては、現金に近い価値を感じられる優待と言えるでしょう。


【参考:パピレスの週足チャート】



2026年3月の株主優待目的の取得はどちらが良いか?

さて、本題の「2026年3月にどちらの権利を受けるべきか」という問いに対する結論は、投資家の現在の状況と「コンテンツの楽しみ方」によって分かれます。


1. これから新規で投資を検討する場合:パピレス 

もしあなたが現時点でどちらの株も保有しておらず、2026年3月の優待を確実かつ即座に受け取りたいのであれば、選択肢はパピレス一択となります。前述の通り、KADOKAWAは1年以上の継続保有が必須条件であるため、今から(2025年以降に)買い付けても、現行の優待制度では2026年3月期の優待の対象外となります。パピレスであれば、100株の保有で即座に1万円分以上の高額な優待を享受できます。



2. すでに1年以上保有している、または「総合力」を重視する場合:KADOKAWA 

すでにKADOKAWA株を保有し、継続保有条件をクリアしている(あるいは将来を見据えて取得しておく)のであれば、KADOKAWAも魅力的です。優待の金銭的価値こそパピレスに譲る場面もありますが、映画、アニメ、ゲーム(フロム・ソフトウェア作品など)、ニコニコ動画など、嗜好に合わせて毎年選ぶ楽しみは格別です。また、長期保有によるポイントアップ制度は、中長期的な株主還元の姿勢を強く示しています。



結論としての提言

2026年3月の「収穫」だけを純粋に狙うなら、パピレスの圧倒的な還元額が光ります。しかし、あなたが特定のマンガだけでなく、アニメや映画、ゲームといった日本のポップカルチャー全般を愛する気質の投資家であれば、条件をクリアしてでもKADOKAWAの優待ポイントを狙う価値があります。

投資は自己責任ですが、優待という名の「コンテンツ報酬」をどのように受け取りたいか。その答えが、自ずと投資先を決める鍵となるでしょう。



※本コラムにおける株主優待の内容は、執筆時点での情報です。優待内容は企業の業績や方針により変更・廃止される可能性がありますので、投資の際は必ず各企業の公式ホームページで最新情報をご確認ください。


日本株情報部長

河賀 宏明

証券会社、事業会社におけるIR担当・経営情報担当、FPや証券アナリスト講師などを経て2016年に入社。 金融全般に精通。証券アナリスト資格保有。 「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別株を中心としたニュース配信を担当。 メディア掲載&出演歴 株主手帳、日経CNBC「朝エクスプレス」、日経マネー

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