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ドル円、米イランの停戦合意で157.89円まで下押し
ドル円は先週3月30日の東京市場で一時160.46円と2024年7月以来の高値を付けましたが、そのあとは158-160円でのもみ合いとなっています。週明け月曜日は欧州の主要市場がイースターマンデーの祝日で休場。薄商いとなる中、今週も中東情勢を巡るヘッドラインに左右される展開となりました。トランプ米大統領は6日には「イランとの停戦に向けた交渉はうまくいっている」「イランは誠意をもって交渉していると思う」と述べた一方、交渉期限を過ぎても合意に至らなければ「イランは橋も発電所もなくなる」との考えを改めて強調。マーケットは緊張が高まっていました。ただ、7日のNY終盤には「国連事務総長の特使が協議のため現在、イランの首都テヘランに向かっている」との報道や、「パキスタンは米国にイランとの合意期限を2週間延長するように要請したほか、イランに対してはホルムズ海峡を2週間開放するよう求めた」との報道が伝わり、WTI原油先物の急失速とともに「有事のドル買い」を巻き戻す動きが広がりました。

*Trading Viewより
そして、日本時間8日には「米国とイランが2週間の停戦とエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の開放で合意」。中東情勢が悪化することへの懸念が後退し、原油先物相場の急落、世界的な株価の上昇、ドル売りが優勢となりました。ドル円は一時157.89円まで下押しする場面がありました。
その後も中東情勢は依然として不安定ではありますが、ひとまず「最悪」は織り込んだ格好となっており、原油安・株高・ドル安の流れが続きました。今週末11日には米国とイランがパキスタンの首都イスラマバードで停戦交渉を開始します。
投機筋の円売りポジション、2024年7月以来の水準に拡大
米商品先物取引委員会(CFTC)が10日(日本時間11日早朝)に発表した4月7日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は9万3742枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、前週から2万0870枚増加しました。これは2024年7月23日以来の水準です。

*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
投機筋の円のポジションは昨年7月2日には18万4223枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録していましたが、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが優勢となり、4月29日には17万9212枚と過去最大を更新。それ以降はその動きが反転しています。投機筋の円売りポジションは久々に9万枚を超え、10万枚に迫る水準まで拡大しています。
背景には「中東情勢の緊迫化と原油高の影響」、「日米金利差とインフレ懸念」、「需給ギャップと構造的要因」などがありますが、一番はイランを巡る紛争リスクから原油価格が高騰し、エネルギーコストの増大がエネルギー自給率の低い日本の貿易赤字が拡大するとの見方につながったことが大きいと思われます。半面、ドルは「実需のドル買い」=原油調達のためのドル買い需要が再燃し、これがドル円の押し上げ要因にもなりました。
ドル円の一目均衡表チャートを見ると
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(159.27円)で雲の下限155.74円、上限155.77円、基準線158.87円、転換線158.96円を全て上回っています。雲は非常に薄い状態ですが、テクニカル的に上サイドへの期待が高まる状況です。また、週末の米国とイランの停戦交渉次第ですが、材料的にも依然として「円安」と「ドル高」の両方を備えている状況です。当面は円安・ドル高のトレンドが続くとみる市場参加者は多いようです。

*Trading Viewより
一方で、27-28日の日銀金融政策決定会合での「追加利上げ」の可能性も意識されています。市場では「有力なタイミングの一つ」と目されているようです。米大手ベンダーは前日銀理事で財務省出身の貝塚氏の話として「4月の追加利上げの可能性は高い」と報じています。「中東情勢の緊迫化で原油価格などが上昇している中、企業や家計の予想インフレ率に波及すれば、政策対応が遅れるビハインド・ザ・カーブに陥るリスクが高まる」と指摘したうえで、「今月の利上げの可能性はかなりの確率」としています。
来週13日には植田日銀総裁が第101回信託大会で挨拶を行います(氷見野副総裁が代読)。追加利上げを強く示唆するようなサインが出るかどうか、「地ならし」発言の有無が最大の焦点となります。なお、植田総裁は今週9日に「短中期を中心に実質金利は明らかなマイナス」と述べており、経済が順調なら金融緩和の度合いを調整(=利上げ)する余地は十分にあるとの見方を示しています。
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