「あの株はいまいくら?」では、話題になった銘柄の現状を確認します。今回は2026年の第1号IPOのTOブックス(500A)をみていきます。
同社は、ライトノベルや漫画を扱う新興出版社であり、主に無料の小説投稿サイトに掲載されたウェブ小説から作品を発掘し、書籍化・コミカライズへと展開しています。
代表作の「本好きの下剋上」は、2026年4月よりアニメ第4期にして同社初となる深夜時間帯以外での地上波放送が開始されています。
TOブックスの初値については、昨年上場した競合株の低迷や荷もたれ感などが重石になるものの、業績は堅調に推移しているうえ2026年最初のIPOとしても注目されており、しっかりとしたスタートが予想されていました。では、TOブックスの上場からの株価の動きをみていきます。
TOブックスの株価推移(上場から2026年4月8日まで)
2026年2月13日に東証グロースに上場したTOブックスの初値は3595円と公開価格3910円を下回りました。
公開株の2割近い株が公開価格以下でも売りに出された半面、最初から入った買い注文はその半分にも満たず売り気配を余儀なくされました。2026年第1号ゆえの期待や業績推移から事前に公開価格割れを心配する声は皆無だったため、短期筋の公開株取得割合が高くなっていたことが要因とみられています。
上場2日目も下落でスタート。3215円まで値を下げたものの、その後は切り返し陽線を形成しました。上場3日目は一転して買いが向かい、一時3720円まで上昇。しかし勢いは続かず、上場4日目からは下値を切り下げる展開となり、2月24日には3055円まで下落しました。これが現時点(2026年4月8日)の上場来安値となっています。
ただ、上場来安値を付けてからは、「さすがに安すぎる」との判断からか株価は上昇トレンドに転じます。そして3月16日に上場後初の決算発表を迎えました。
26.4期3Q累計(5-1月)の営業利益は13.6億円で着地。併せて、26.4期通期の営業利益予想を従来の14.1億円から17.0億円~19.0億円のレンジ(前期比47.9%~65.3%増)に上方修正することを発表しました。
電子書籍については、各電子書店で実施したポイント還元施策や無料試し読みキャンペーンなどの施策を背景に販売が好調に推移し、新規ユーザーの獲得も進んだことから、当初の計画を上回る水準で推移。売上高の増加に加え、市場への出荷冊数の適正化を進めたことにより製造コストの低減が進んだ結果、各段階利益が前回予想を上回る見込みになったとしています。
決算を受けた翌営業日(17日)の株価は買いで反応。3805円まで上昇し、上場3日目に付けた3720円を上回り、その時点の上場来高値を更新しました。
その後の株価は水準を一段上げて3400円~3700円程度のレンジで推移。4月3日には3815円まで上昇し、上場来高値を更新しました。
【TOブックスの日足チャート(上場から2026年4月8日まで)】

今後について
同社については、業績は堅調であり、今期は大幅な増益が見込まれています。また、4月から代表作「本好きの下剋上」のアニメ第4期がスタート。アニメ放送が夕方枠になったことで読者層の拡大も期待できます。アニメ放送開始直前に上場来高値を更新したことは期待の表れだと思います。
今後の株価については、6月下旬に発表される通期決算において、良好な27.4期の業績見通しが示されれば、4000円の大台乗せも期待できると考えます。ただ、同社が控えめな業績予想を出してくる可能性もあることから、あまり先走らない方がよいでしょう。
公開価格3910円近辺での戻り待ちの売りは多いと想定されますので、良好な業績見通しがでて公開価格どころでもたついているような状況になればチャンスだと考えます。





