市場動向
2026年2月の暗号資産市場は、価格調整が続き、主要銘柄は下落基調となりました。反発する場面もみられましたが、全体として戻りの鈍い展開が続き、リスク選好は後退しました。BTCの対ドルにおける月間下落率は約15%、ETHは約20%となりました。月末には地政学リスクを巡る報道を受けて一時的に下落する場面もありました。
同期間、暗号資産全体の時価総額は2.66兆ドルから2.27兆ドルへと減少しました。価格下落と歩調を合わせる形で市場規模も明確に縮小しており、市場参加者の間には慎重な姿勢が広がっています。
一方、ステーブルコイン供給は月間で約3%増加し、拡大傾向を示しました。価格調整が進むなかでも、オンチェーン上の待機資金は増加しており、資金が安定資産へ移動する動きがみられました。
DeFiプロトコルへの資金の預入規模を示すTVL(Total Value Locked)は、月間で約13%の減少となりました。価格下落と概ね連動する形で資金規模は縮小しています。
暗号資産市場は、BTC・ETHの価格下落が続く一方で、ステーブルコイン供給は増加しました。短期的には、ETFフローの動向に加えて他資産市場の変動が、市場全体の調整局面の行方を左右する要因の1つとして注目されます。
BTCやETHの価格推移
2026年2月のBTCは月初の約78648ドルから、月末には約66967ドルまで下落しました。月間では約15%の下落となり、月内には断続的な買い戻しもみられましたが、戻りは限定的でした。月末にかけては、米国によるイランへの攻撃との報道を受けて一時的に下押しました。
現物ETF市場では一部で資金流入も確認されたものの、価格の持続的な反発にはつながらず、調整局面が継続しています。

※BTCドル日足チャート、出所:TradingView
ETHも月初の約2449ドルから月末には約1964ドルまで下落しました。下落率は約20%に迫り、BTCと比べて下落幅が拡大しました。暗号資産市場では、急落局面においてアルトコインがBTC以上に下落するケースが多く、今回もこうした傾向に沿う形となりました。

※ETHドル日足チャート 、出所:TradingView
ETFフロー
2026年2月の現物ETF市場では、BTC・ETHともに月間ベースで純流出となりました。一方で、月末にかけては断続的に資金流入が確認され、特に2月25日前後には流入が目立ちました。
BTC現物ETFは、2月合計で約2.1億ドルの純流出となりました。2日に大口の資金流入があった一方、月前半は4日・5日を中心に流出が拡大しました。月後半には24日から26日にかけて流入に転じ、特に25日は大きく流入したものの、月前半の流出を補いきれず、月間ベースでは純流出となりました。

※BTC現物ETF日次資金フロー 、出所:sosovalue
ETH現物ETFも、2月合計で約3.7億ドルの純流出となりました。月前半は4日・5日に加え、11日にも比較的大きな流出が観測されました。月後半には25日に大口の流入があった一方、19日には大きな流出も確認され、月間では純流出となりました。

※ETH現物ETF日次資金フロー 、出所:sosovalue
2月の現物ETF市場全体では、月末にかけて流入が目立つ場面があったものの、月間では流出が優勢な結果となりました。目先では、価格動向とあわせてETF資金フローの変化に留意が必要です。
オンチェーンデータ
2026年2月末時点では、価格・時価総額の大幅な調整下でも、オンチェーン上の流動性は概ね維持されました。現物ETFからも資金流出が進んだ一方で、オンチェーン指標に急激な悪化はみられませんでした。
ステーブルコインの総供給量は、月間では約3007億ドルから約3103億ドルへと拡大しました。相場が調整局面にあったなかでも、オンチェーン上の待機資金は一貫して増加傾向にありました。

※ステーブルコイン供給総額 、出所:defillama
DeFiセクターのTVL(Total Value Locked)は、月初の約1076億ドルから月末には約932億ドルへと減少しました。価格下落を受けて資金規模は減少しました。月中には一時的な持ち直しもみられたものの、オンチェーン資金は引き続き慎重に運用されている状況がうかがわれます。
暗号資産関連ニュース
2026年2月は、米国および日本において暗号資産を巡る制度・規制動向が引き続き注目されました。
ホワイトハウスは銀行および暗号資産関連企業を招集し、暗号資産規制枠組み法案「Digital Asset Market CLARITY Act(CLARITY Act)」に関する協議を実施しました。しかしながら、ステーブルコインの報酬規定を巡る意見対立が解消されず、合意には至りませんでした。上院銀行委員会は法案採決を延期しており、協議は継続される見通しとなっています。
また、米国財務長官スコット・ベッセント氏は、デジタル資産に関する包括的な規制法案について、2026年春までに成立を目指すことが重要であるとの見解を示しました。連邦レベルでの規制枠組み整備の必要性を改めて強調する発言となりました。
日本では、日本銀行が当座預金口座のトークン化を検討していると報じられました。ブロックチェーン技術を活用した決済インフラの高度化に関する議論の一環であり、中央銀行デジタル通貨(CBDC)実証実験とも関連する動きと位置付けられます。




