週末に下落スピードを速める
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は2026年5月27日24時頃、対円では前週(7日前)比2.5%安の1197万円前後で取引されています。BTCドルが7万4900ドル台での値動きです。
先週末の23日、BTCへの売り圧力が強まると、対円では1240万円前後から1180万円付近まで下落のスピードを速めました。BTCドルも7万8000ドル付近で頭を抑えられて、7万4200ドル前後まで下落幅を広げています。

※Coin Market Capより
5月18日から22日の週は、米国で取引されている現物ビットコインETFからの流出が続きました。この期間に合計12.56億ドルが流出し、相場全体の重石となっていました。そこに、米国の戦略準備金法案が期待外れの内容だったことで、失望感からの売りが加わりました。先物市場ではロングの投げが連鎖し、下落を加速させたようです。

※coinglassより
その後、トランプ米大統領が「イランとの和平協議は順調に進んでいる」と述べると、投資家心理が改善。一旦は戻したものの、一巡後は再び上値を切り下げます。連休明け26日の現物ビットコインETFもネット流出でした。
「暗号資産の首都」に向けて
トランプ大統領は大統領選挙の期間中、米国を「地球の暗号資産の首都」にすると宣言し、業界から絶大な支持を集めました。その象徴が、ビットコインを国の公式な蓄えにあたる「国家戦略準備資産」として組み入れる構想です。この方針は、国家が暗号資産を正式な資産として認める転換点になるとして、投資家の期待を集めました。
大統領の後押しを受け、議会では超党派の政治家たちが具体的な法制化に向けて動き出しました。こうして誕生したのが「ARMA法案(米国準備制度近代化法)」です。国の主導によって市場を次のステージへ引き上げるための法案として、大きな期待を集めていました。
市場が期待したプラン
市場が最も注目した理由は、最初の草案に盛り込まれた強力な購入義務プランにあります。具体的には、5年間で最大100万BTC(総発行量の約5%)を国が買い集めるという内容でした。国家がこれほど巨額のビットコインを定期的に買い支える仕組みは、かつてない買い支えの仕組みとして期待されました。
さらに期待を高めたのが、政府が保有する既存のビットコインに対する「売却禁止条項」です。米政府は事件の押収などで約32万8000BTCを保有しており、これが市場に売却されるリスクは投資家の懸念材料でした。法案ではこれらを「最低20年間は売却禁止」としたため、売り圧力を完全に封じ込めるルールとして歓迎されたのです。
期待から一転、市場の失望を誘る
しかし、議会審議が進む中で提出された修正草案が、相場を一気に失望へと突き落としました。投資家がショックを受けたのは、当初の目玉であった「5年間で最大100万BTCを国が義務として購入する」という条項が丸ごと削除された点です。
これにより、国家による莫大な買い支えの構造が一瞬にして消滅しました。ハシゴを外された形となった機関投資家たちは、先行きの不透明感から一斉に利益確定の売りへと動きます。この期待の剥落が引き金となり、米国の現物ビットコインETFから短期間で巨額の資金が流出する投げ売りを誘発しました。

※Trading Viewより
ところで、トランプ大統領が関与するメディア企業「トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ」も、ビットコインを大量に購入した企業のひとつです。同社は、平均単価11万8500ドル台で1万1500BTC以上を購入しました。
BITCOIN TREASUIRESによれば、9500ドル台で2000BTCを売却し、現在は約9500BTCを保有しています。現在の相場は約7万5000ドルであり、1BTCあたり約4万3500ドルの含み損を抱えている計算です。「暗号資産の首都」を掲げる大統領ゆかりの企業が、足元では買値から4割近く下落したビットコインを抱えているのは、何とも皮肉な話です。
今週のまとめ↓






