1月末以来の高値更新
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は2026年5月14日8時頃、対円では前週(7日前)比1.5%安の1254万円前後で取引されています。BTCドルが7万9400ドル台での値動きです。
BTC円は4月末に1181万円まで売られたところから、一転買いが優勢となりました。中東情勢は先行き不透明なままですが、株式市場を中心にリスク志向ムードが広がりました。
日本のゴールデンウィーク中にBTC円は、4月後半に抜け切れなかった1260万円台を超えていきます。5月6日の早朝には、1月末以来の高値となる1291万円台まで上げ幅を広げました。ただその後、1290万円超えでは何度も頭を抑えられました。
BTCドルも先月末の7万5000ドル割れで売り戻しが一巡すると、5月はロケットスタート。心理的な節目となる8万ドル辺りでは不安定に上下しましたが、徐々に下値を固める展開に。6日のニューヨーク早朝には、1月末以来の高値8万2800ドル台まで一気に上値を伸ばしました。

※Trading Viewより
恐怖と欲望指数も…
こちらのチャートは、暗号資産分析サイトCoin Market Capが算出している「Fear and Greed Index(恐怖と欲望指数)」です。
この指数は、暗号資産市場の投資家心理を0から100で数値化し、数値が低いほど「恐怖」、高いほど市場が「強欲」になっていることを示唆しています。極端な恐怖は売られすぎ、強欲は過熱感として捉えられることが多く、市場の転換点を探る手がかりにもなります。
直近で一番低かったのが2月初めです。その時BTC円は1000万円を割り込み、「Fear and Greed Index」は0近くと市場の恐怖感は極端な水準まで振れていました。
足もとでは50を挟んだ中立とみられる水準です。この指数がこのまま下げ渋るようだと、BTC買いも強まってくるのかもしれません。
米国のインフレ懸念が重しに
13日の夜中にBTCは対円で1243万円台、対ドルでは7万8700ドル付近まで失速します。きっかけは米国のインフレ懸念でした。
米労働省が12日に発表した4月米消費者物価指数(CPI)は、前年比3.8%上昇と加速予想から更に上振れました。伸び率は2023年5月以来の高さを記録しています。また、翌13日に明らかにされた同月卸売物価指数(PPI)は前年比6.0%上昇と大きく予想を上回り、こちらは22年3月以来の大幅な伸びとなりました。
イラン紛争を背景としたエネルギーコストの上昇が、川上から川下(原材料から最終製品に至るまでの流通・生産プロセス)まで価格体系を押し上げていることが確認されました。これを受けて、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.5003%前後と約11カ月ぶりの高水準をつけました。
米金利の上昇は、リスク資産であり、金利がつかないビットコインにとって売り材料とされました。

※Trading Viewより
エルサルバドル、毎日毎日…
ビットコイン相場は依然として不安定なままですが、中南米エルサルバドルでは政府が「1日1ビットコインを購入」という方針を続けています。
2021年6月、同国のナジブ・ブケレ大統領が世界で初めてビットコインを法定通貨とする「ビットコイン法」を議会に提出しました。与党が多数を占める議会がわずか数時間で可決し、そして同年9月に正式施行されました。
その主な内容は、ビットコインと米ドルの併用(デュアル法定通貨)、すべての事業者へのBTC決済受け入れ義務、国民への30ドル相当のBTC配布、政府ウォレット「Chivo」の提供などです。ただし、国際通貨基金(IMF)から融資を受けるため、BTC決済の強制義務は2024年末から撤廃されています。
ビットコインを積極的に採用しようとした背景には、エルサルバドルの銀行口座を持てない国民が多く(人口の約7割)、手数料が高額な海外送金への依存度も高い(GDPの約2割)という独特の経済事情がありました。
ただ実際には、エルサルバドル国民の多くはスマホ操作やビットコインの使い方に不慣れで、普及はなかなか進まなかったというのが現実のようです。しかしながら政府は購入し続け、2026年5月初旬時点での保有量は7643BTCに達しました。累積投資額はおよそ6.22億ドルとされています。
ビットコイン相場が安定さを取り戻せば、同じような経済事情を抱える中南米やアフリカの国々が、エルサルバドルの後を追う可能性もあるかもしれません。
今週のまとめ↓






