市場動向
2026年8月の暗号資産市場は、主要銘柄を中心に上昇しました。BTCは対ドルで月間約25.1%上昇し、ETHは約32.7%上昇しました。
同期間、暗号資産全体の時価総額は約2.25兆ドルから約2.68兆ドルへと増加しました。月間では約19.4%の増加となり、市場全体でも持ち直す動きが確認されました。BTC、ETHはいずれも上昇し、特にETHの伸びが際立ちました。
現物ETF市場では、BTC、ETHともに月間ベースで純流入を記録しました。BTC現物ETFは約35.2億ドル、ETH現物ETFは約18.5億ドルの純流入と、特に月後半に資金流入が目立ちました。
ステーブルコインの供給総額は月間で約1.1%増加。また、DeFiプロトコルへの預入資産の規模を示すTVL(Total Value Locked)は、月間で約19.1%の増え、オンチェーン指標は改善しました。
短期的には、ETFフローに加え、ステーブルコイン供給総額やTVLの推移が市場の地合いをみるうえで引き続き注目されます。
BTCやETHの価格推移
2026年8月のBTCは月初の約62800ドルから、月末には約78600ドルまで上昇し、月間では約25.1%の伸びを示しました。月中に値動きの振れはあったものの、全体としては上昇基調が続きました。
米財務省による長期債買い戻しの拡大を受けたドルの軟化に加え、現物ETFへの大幅な資金流入や米国での規制明確化への期待が相場を支えたとみられます。

※BTCドル日足チャート、出所:TradingView
ETHも月初の約1860ドルから月末には約2470ドルまで上昇しました。上昇率は約32.7%となり、BTCと比べても上昇幅は大きくなりました。BTCと同様の市場環境に加え、月後半を中心とした現物ETFへの資金流入が相場を下支えしたと考えられます。

※ETHドル日足チャート、出所:TradingView
ETFフロー
2026年8月の現物ETF市場では、BTC、ETHともに月間ベースで純流入を確保しました。月前半には流出日もありましたが、月後半は資金流入が優勢でした。
BTC現物ETFは、8月合計で約35.2億ドルの純流入。17日、19日、20日、21日、24日、25日には比較的大きな資金流入が確認され、特に20日には約6.06億ドルの純流入でした。一方、10日、13日、28日には比較的大きな資金流出がみられ、28日には約2.02億ドルの純流出を記録。それでも月間ベースでは大幅な純流入を確保しました。

※BTC現物ETF、日次資金フロー 出所:sosovalue
ETH現物ETFは、8月合計で約18.5億ドルの純流入。19日、20日、21日、25日、26日、27日には比較的大きな資金流入があり、特に27日には約2.35億ドルの純流入でした。一方、3日、10日、11日には純流出とあったものの、流出額はいずれも比較的限定的でした。

※ETH現物ETF、日次資金フロー 出所:sosovalue
BTC現物ETF、ETH現物ETFはいずれも月後半を中心に資金流入が強まりました。純流入額はBTC現物ETFがETHを上回りましたが、両者とも流入優勢の月でした。
オンチェーンデータ
2026年8月末時点では、主要暗号資産の価格上昇に伴い、オンチェーン指標も改善しました。ステーブルコイン供給総額、DeFi TVLはともに月間で増加しました。
ステーブルコインの供給総額は、月初の約3056.5億ドルから月末には約3089.5億ドルと、月間では約1.1%増加しました。伸びは主要暗号資産やDeFi TVLを下回ったものの、前月の減少から増加に転じました。

※ステーブルコイン供給総額、出所:defillama
DeFiセクターのTVL(Total Value Locked)は、月初の約740.1億ドルから月末には約881.8億ドルへと増加しました。月間では約19.1%の増加となりました。主要暗号資産の価格上昇を背景に、同分野の預入資産額には持ち直す動きが確認されました。TVLの増加率は暗号資産全体の時価総額の伸びとほぼ同水準であり、預入資産の価格上昇も増加に寄与したとみられます。
暗号資産関連ニュース
2026年8月は、米国を中心に、暗号資産市場の規制枠組みの整備に向けた動きが進みました。日本でも、金融庁が専門部署を新設したほか、暗号資産を用いた詐欺被害への対策強化を要請しました。
米国では、米上院のジョン・スーン院内総務が8月8日、暗号資産市場の規制枠組みを整備する「CLARITY Act」の審議を前進させるための手続きを取りました。同法案は、デジタルトークンが証券または商品に該当する条件や、SECとCFTCの管轄区分を明確にすることを目的としています。
また、米証券取引委員会(SEC)は8月18日、暗号資産に関連する一定の投資契約を対象とした新規則「Regulation Crypto Assets」を提案しました。提案には、4年間で最大500万ドルの募集を認める一度限りの登録免除と、12カ月ごとに最大7500万ドルの募集を認める登録免除が含まれています。
さらに、米商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリグ委員長は8月20日、CLARITY Actの審議が停滞した場合、既存の権限を活用して暗号資産市場の規制制度を整備する方針を示しました。CFTC職員に対し、既存の権限を用いた規制枠組みを検討するよう指示しました。
日本では、金融庁が8月7日付で組織再編を実施し、新たに「暗号資産・ステーブルコイン課」を設置しました。暗号資産とステーブルコインに関する監督や制度対応を専門部署に集約し、デジタル技術の進展に対応する体制を整備しました。
金融庁は8月6日、警察庁と連名で、日本暗号資産等取引業協会に対し、暗号資産を用いた詐欺被害や不正送金への対策を強化するよう要請しました。口座開設時の不正防止、暗号資産の出庫制限、取引モニタリングなどの強化が要請内容に含まれています。



