先週は主要3指数が高安まちまち ナスダック総合は3週続伸
先週の米国市場では、ダウ平均が2.7%安、S&P500が0.7%安とともに3週ぶりに反落しましたが、ハイテク株主体のナスダック総合指数は0.6%高と3週続伸となりました。
12月小売売上高が予想以上に悪化し、景気後退(リセッション)懸念が高まったことや、市場予想を下回る第4四半期決算を発表したゴールドマン・サックスなどの大幅安が重しとなりダウ平均とS&P500が下落した一方、ナスダック総合は、米10年債利回りの低下が追い風となるなか、昨年大きく下落したコミュニケーション株が大幅に上昇したことも支援となりました。
年初来では2022年に33.1%安となったナスダック総合が6.4%高と大幅に上昇し、S&P500の3.5%高、ダウ平均の0.7%高を大きくアウトパフォームしています。
ネットフリックスの第4四半期はストリーミング会員数が予想以上に増加
1月13日からスタートした米企業の第4四半期(10-12月)決算は、先週はS&P500採用の26銘柄が発表を終え、このうち62%の16銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回りました。
金利収入が市場予想を上回ったSVBファイナンシャルが週間で15.3%高と急伸したほか、利益が予想を上回ったモルガン・スタンレーが5.0%高、動画ストリーミング会員数が予想を上回ったネットフリックスも2.9%上昇しました。
一方、純収入と利益がともに市場予想を下回ったほか、予想以上に貸倒引当金を計上したことも嫌気されたゴールドマン・サックスが8.6%安となったほか、決算や見通しが嫌気されたチャールズ・シュワブ、プロクター・アンド・ギャンブル、ユナイテッド航空も4-7%安となりました。
ネットフリックスが19日引け後に発表した2022年第4四半期(10-12月)決算は、売上高が前年同期比1.9%増の78億5200万ドルとなり市場予想の78億4800万ドルをわずかに上回りました。しかし、純利益は同90.9%減の5528万ドルとなり、調整後の一株当たり利益は0.12ドルと市場予想の0.45ドルを大幅に下回りました。
営業利益率は7.0%と前年同期の8.2%、第3四半期の19.3%から悪化しましたが、為替の影響を除くと19.9%となりました。
投資家が注目する動画ストリーミングの有料会員数は766万人増となり、市場予想の457万人増を大幅に上回りました。
「アダムス・ファミリー」などの人気番組が会員数の増加に寄与したほか、昨年11月からスタートした広告付きプランも加入者数の増加につながりました。
決算を受けてアナリストが投資判断や目標株価を引き上げ
有料会員数が予想以上に増加したことに加え、財務内容の改善も評価されました。ネットフリックスの2022年のフリー・キャッシュフローは16億ドルとなり、目標の10億ドルを上回りました。2023年は30億ドルに増加すると見込んでいます。
また、大規模な買収を行わない限り、2023年に自社株買いを再開する予定であるとも述べています。
決算発表を受けてアナリストの投資判断や目標株価引き上げが相次ぎました。
リフィニティブが集計するアナリスト43人の投資判断は「強気買い」が11人、「買い」が10人、「保有」が19人、「売り」が3人で、「強気買い」と「買い」がそれぞれ1人増えました。
目標株価の平均値は346.97ドルと、3カ月前の273.22ドル、2カ月前の286.22ドル、1カ月前の301.83ドルから大きく上昇しました。
2021年11月に700ドルを上回ったネットフリックスの株価は2022年5月に162.81ドルまで下落しましたが、年明けに300ドル台を回復しました。
週明け23日の取引でも、前日比14.92ドル高(+4.4%)の357.42ドルと続伸し、年初来では21.2%高となりました。