先週は主要3指数がそろって上昇 S&P500とナスダック総合が連日で最高値を更新
先週の米国株式市場ではダウ平均が1009.26ドル高(+2.30%)と大幅に3週続伸し、S&P500が1.72%高と続伸。ナスダック総合は1.62%高と3週続伸しました。
先週は4日が独立記念日の祝日で休場のため4日間の取引でしたが、カナダがグーグルやメタなどに課すデジタルサービス税を撤回したことで米国とカナダの貿易交渉進展期待が再び高まったほか、ベトナムと20%の輸入関税で合意したことでナイキなどが大幅高となりました。
経済指標では6月雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったほか、失業率も悪化予想に反して改善したことで安心感が広がりました。
前週末に史上最高値を更新したS&P500は6月30日と7月2日、3日の連日で史上最高値を更新。ナスダック総合も7月1日を除く3日間で終値の過去最高値を更新しました。ダウ平均は昨年12月に付けた史上最高値まで185.51ドル(0.41%)に迫って終了しました。
マイクロソフト、エヌビディアがS&P500の高値更新をけん引
6月27日に約4カ月ぶりに史上最高値を更新したS&P500は、先週もほぼ連日で最高値を更新しました。7月3日終値は6279.35ポイントと、2月19日に付けた最高値6144.15ポイントから2.20%高となりました。
S&P500採用銘柄について、前回高値の2月19日から7月3日までの騰落寄与(時価総額の増減)をみると、ソフトウェア大手のマイクロソフトの時価総額が6249億ドル増加し、指数に対する上昇寄与がトップでした。指数上昇寄与2位は半導体大手のエヌビディアで、時価総額が4907億ドル増加しました。
このほか、ブロードコムが2185億ドル増、オラクルが1567億ドル増となり、上昇寄与上位10銘柄のうち、情報技術(IT)セクターが6銘柄を占めました。
S&P500への上昇寄与トップのマイクロソフトは予想を上回る1-3月期決算や強い見通しが好感されました。マイクロソフトが4月30日引け後に発表した2025年度第3四半期(1-3月)決算は、売上高が前年同期比13.3%増の700億6600万ドルと市場予想の684億2100万ドルを上回り、調整後の一株当たり利益も3.46ドルと市場予想の3.22ドルを上回りました。
第4四半期については売上高見通しを731.5億~742.5億ドルとし、市場予想の722.6 億ドルを上回ったほか、投資家が注目するクラウドのAzure部門の売上高見通しを34~35%増とし、市場予想の31.5%増を上回ったことも好感されました。
アップルは時価総額が4700億ドル減少し、S&P500の重し
一方、S&P500指数への下落寄与上位をみると、iPhoneメーカーのアップルの時価総額が4678億ドル減少し、指数下落寄与トップとなりました。
下落寄与第2位は管理医療保険最大手のユナイテッドヘルスで、時価総額が1837億ドル減少しました。下落寄与第3位はEVメーカーのテスラで、時価総額が1456億ドル減少しました。
このほか、イーライリリーが819億ドル減、アルファベット(クラスC)が796億ドル減、アルファベット(クラスA)が698億ドル減、アクセンチュアが532億ドル減となり、セクター別ではITとヘルスケアがともに3銘柄、コミュニケーション・サービスが2銘柄、一般消費財と生活必需品が1銘柄となりました。
S&P500の最大の押し下げ要因となったアップルは2025年度第2四半期(1~3月)決算が予想以上の増収増益となりましたが、アップ・ストアなどのサービス収入が予想をわずかに下回ったことや、トランプ関税の影響で4~6月期の費用が9億ドル増加するとの見通しを示したことが嫌気されました。
また、トランプ米大統領が国外で生産され米国で販売されるiPhoneについては、アップルが25%の関税を払うべきだとSNSに投稿したことも嫌気されました。