関東地方の暮らしに欠かせない存在として親しまれているスーパーマーケット「ヤオコー」。
そんなヤオコー(証券コード:8279)は、株主優待制度も実施しており個人投資家からの関心も高いです。さらに、食品スーパー業界が厳しい競争環境にある中でも、長年にわたり増収増益を続ける優良企業としても知られています。
この記事ではヤオコーの株主優待の内容、そして株価や業績がなぜ好調なのか、その強さの秘密に迫ります。
投資対象としてのヤオコーの価値を分かりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
ヤオコーの株主優待はお得な商品詰め合わせor買い物優待券
ヤオコーの株主優待は、毎年3月末に100株以上を保有する株主が対象です。大きな特徴として、100株以上の株式を1年以上継続して保有していることが条件となります。
つまり、購入してすぐに優待がもらえるわけではないため、長期的な視点で応援してくれる株主を大切にする姿勢がうかがえます。
優待内容は保有株式数に応じて、以下の4つの選択肢から好きなものを1つ選べる仕組みです。
日常的にヤオコーを利用する方は優待券がお得であり、普段使わない方も「商品詰合せ」や「ミネラルウォーター」など、生活に役立つ品物を選べるのが嬉しいポイントですね。
詰め合わせ商品の中にはスープ・ドレッシング・麺類・パスタソース・調理ダシなど、長期保存ができて、いつでも使えるラインナップが揃っています。
ヤオコーの株価・業績が好調な3つの理由
ヤオコーの直近5年間における株価と業績の推移は、以下のとおりです。
参照:Traging View
食品スーパー業界はドラッグストアやコンビニ、ネットスーパーなどとの競争が激しく、非常に厳しい環境にあります。
それにもかかわらず、ヤオコーは30年以上にわたって増収増益を続けるという実績を誇っています。株価も長期的には右肩上がりで推移しており、市場からの評価も高いです。
ヤオコーの好調さの秘密はどこにあるのでしょうか?ここでは、その理由を3つに絞って解説します。
理由①:徹底した顧客目線と個店経営
ヤオコーの経営スタイルは「個店経営」という独自のものです。多くのチェーンストアが本部主導で画一的な店舗運営を行うのが一般的。しかし、ヤオコーでは各店舗の従業員やパート社員に商品の仕入れや価格設定、売場づくりなどの大きな裁量権を与えられています。
この采配により、地域のお客様のニーズに合わせたきめ細やかな対応をすることができ、顧客満足度の向上につながっています。現場の意見を尊重するこの仕組みが、他社には真似できないヤオコーの強さの源泉となっているのです。
理由②:高品質なプライベートブランド商品
小売業界ではPB商品の開発が盛んですが、ヤオコーはその中でも独自色を打ち出しています。ヤオコーのPB商品である「Yes!YAOKO」シリーズは、単なる安さだけでなく、美味しさ・品質・健康にこだわって開発されたものです。
開発会議には、実際に売り場で働くパート社員も参加し、厳しい試食をクリアしたものだけが商品化されると言われています。高品質なPB商品が顧客の信頼を獲得し、リピート購入につながっています。
理由③:他社より優れた惣菜(デリカ)の強み
ヤオコーの店舗を訪れると多くの方がそのお惣菜やお弁当、店内ベーカリーの魅力に気づくでしょう。ヤオコーのデリカ部門は、スーパー業界の中でも特に強いと言われており、集客の大きな柱となっています。
手握りおはぎをはじめ、店内で作られる温かいお惣菜や豊富な種類のパンは、共働き世帯や単身者、高齢者など幅広い層のニーズに応えています。このデリカ部門の圧倒的な商品力が、お客様をヤオコーに引きつける魅力となっているのです。
ヤオコーの基本情報
ヤオコーは1890年に青果商として創業した歴史ある企業で、現在は埼玉県を地盤に関東1都6県で食品スーパーマーケットを展開しています。
グループ全体では、ディスカウント型の食品スーパー「エイヴイ」や「フーコット」「せんどう」なども含め、230店舗以上を運営しています(2025年3月時点)。
2025年10月には、グループ全体の連携をさらに強化するため、持株会社体制への移行を予定しています。
配当金
直近5年間における一株あたりの配当金推移は、以下のとおりです。
・2021年3月期:85.5円(配当利回り1.26%)
・2022年3月期:80円(配当利回り1.20%)
・2023年3月期:85円(配当利回り1.23%)
・2024年3月期:110円(配当利回り1.20%)
・2025年3月期:125円(配当利回り1.28%)
配当金は2022年3月期に一時的に減配となりましたが、基本的には増配傾向にあり、株主への利益還元にも積極的な姿勢がうかがえます。
現在の株価水準では配当利回りは1%台前半と高くはありませんが、安定した業績成長を背景とした増配にも期待が持てます。
まとめ
ヤオコーの株主優待は100株以上を1年以上継続保有することで、4,000円相当のPB商品詰め合わせや買物優待券などがもらえる魅力的な内容です。
企業としては厳しい競争環境にある食品スーパー業界において、独自戦略で30年以上にわたり成長を続けている、優良企業と言えるでしょう。
株価は長期的に上昇しており、その安定した成長性や強固なビジネスモデルを評価すれば、投資対象として十分に魅力的です。
日常的に利用する身近な企業だからこそ、長期目線での投資先として検討する価値は十分にある銘柄と言えるのではないでしょうか。