メタ・プラットフォームズが急騰 予想を上回る売上高や自社株買いを好感

先週は主要3指数が高安まちまち ナスダック総合は5週続伸


先週の米国市場では、ダウ平均が0.2%安と反落しましたが、S&P500が1.6%高と2週続伸し、ハイテク株主体のナスダック総合指数は3.3%高と大幅に5週続伸となりました。


インフレのピークアウト期待が高まる中、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見でインフレがスローダウンしているとの認識を示したことが支援となりハイテク株を中心に大幅高となりました。


しかし、週末3日に発表された米1月雇用統計が強い結果となり、早期の利上げ停止期待が後退したことや、決算が嫌気されたアマゾン・ドット・コムやアルファベットが大幅安となったことでナスダック総合とS&P500が上昇幅を縮小し、ダウ平均は週間で小幅に下落しました。


年初来では2022年に33.1%安となったナスダック総合が14.7%高となり、S&P500の7.7%高、ダウ平均の2.3%高を大きくアウトパフォームしています。

 


ハイテク・ジャイアントの決算は予想を下回るも、株価は週間でそろって上昇


1月中旬からスタートした米企業の第4四半期(10-12月)決算は、先週はS&P500採用の110銘柄が発表を終え、そのうち75%の82銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回りました。


こうした中、注目されたアップル、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ(フェイスブック)のハイテク・ジャイアントの決算は、アマゾン・ドット・コムの1社のみで調整後一株当たり利益が市場予想を上回りましたが、他の3社はそろって調整後一株当たり利益が市場予想を下回りました。


しかし、株価はメタ・プラットフォームズが2日の取引で23.3%高と急伸し、週間では22.9%高となりました。


アップルも売上高、利益がともに市場予想を下回りましたが、アナリストの業績回復見通しが好感され3日の取引で2%超上昇し、週間では5.9%上昇しました。


アルファベットとアマゾン・ドット・コムは決算が嫌気され3日の取引でそれぞれ2.8%安、8.4%安となりましたが、週間ではアルファベットが5.4%高となり、アマゾン・ドット・コムも1.1%上昇しました。


メタ・プラットフォームズが急騰 予想を上回る売上高や自社株買いを好感


メタが2日引け後に発表した2022年第4四半期決算は、純利益が前年同期比55%減の46億5200万ドルとなり、調整後の一株当たり利益が1.76ドルと市場予想の2.22ドルを大幅に下回りました。

売上高は前年同期比5%減の321億6500万ドルとなったものの、市場予想の315億2900万ドルを上回りました。

400億ドルの自社株買いを発表したことも好感されました。


バンク・オブ・アメリカやゴールドマン・サックスが業績回復見通しを理由に投資判断を「バイ」としたことも株価上昇を後押ししました。


メタの株価は2022年に64.2%安と1年間で株価が約3分の1になりましたが、今年は年初来で55.0%高となり、昨年11月に付けた52週安値88.10ドルからは2倍以上となりました。

 


アップルの10-12月決算は予想を下回るも、アナリストは業績底打ちを予想


時価総額最大のアップルが2日引け後に発表した2023年度第1四半期(10-12月)決算は、売上高が前年同期比6%減の1171億5400万ドルと市場予想の1211億400万ドルを下回り、純利益が同13%減の299億9800万ドル、調整後の一株当たり利益は1.88ドルと市場予想の1.94ドルを下回りました。


市場予想を下回る決算を受けてアップルの株価は2日の時間外取引で一時終値から3%超下落しましたが、翌日の通常取引では、JPモルガンやエバーコアISIなど複数のアナリストが業績の最悪期を脱したとの見方を示したことで、前日比2.4%上昇し、週間では5.9%高、年初来では18.9%高となりました。




国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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