WBC特需でミズノの業績拡大に期待

野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の強化合宿が2月17日(金)より行われており、合宿開催地の宮崎県にある「ひなたサンマリンスタジアム」には、県内外から多くの野球ファンが詰めかけています。

特に土日ではスタジアムのみならず、スタジアム近くの駐車場も事前予約で満杯となるほか、宮崎市内の宿泊施設が満室となるなど、WBC合宿特需に沸いています。


大会前から盛り上がりを見せるなか、WBC関連銘柄について紹介します。

今回は、スポーツ用品大手のミズノ(8022)を取り上げます。


WBC日本代表グッズの販売が好調

ミズノでは、今回のWBC日本代表のユニフォームの製造・販売を行っています。


強化合宿の球場前に設置された公式グッズ販売所では、初日から長蛇の列となり、ユニフォームをはじめグッズの売り切れが続出しました。報道によると、特に米国のメジャーリーグで活躍する大谷翔平選手、国内の選手では、2022年シーズンにセ・リーグで三冠王(本塁打王・打点王・首位打者)を獲得したヤクルト・スワローズの村上宗隆選手のユニフォームが人気があったとのことです。


また2月10日からユニフォームの予約販売を開始すると、販売直後から売り切れが続出しました。

ただし、一部の購入者による買い占め問題が発覚。購入は1人1点としていましたが、多数のアカウントを作り、ユニフォームを買い占める事態が発生しました。

会社側は、「明らかに個人使用の枠を超える機械的な大量購入があった」と説明し、謝罪しました。

1人1点のルールを守っていなかった注文については取り消しを行い、改めて抽選販売を行うとのことです。その中で、「ガイドラインを守って購入した方には、3月9日に開催される日本代表の初戦までに確実にお届けする」としています。


スポーツイベント開催前から株価は上昇しやすい

同社株の値動きの特徴として国際的なスポーツイベントの開催前から、株価が上昇しやすい傾向にあります。

FIFAサッカーワールドカップ・ロシア2018(2018年6月14日~7月15日)、ラグビーワールドカップ2019日本大会(2019年9月20日~11月2日)、東京2020オリンピック(2021年7月23日~8月8日)、FIFAサッカーワールドカップ・カタール2022(2022年11月20日~12月18日)など、イベント開催前後の期間の株価は堅調に推移しました。



今回のWBCでも日本代表は優勝候補の一角に挙がっており、躍進が期待されています。

大会が盛り上がるほど、タオルやキャップ、ユニフォームなど応援グッズの売り行きが増加し、同社の業績拡大に寄与することが予想されます。

好業績期待が株高につながるとみています。


配当権利取りの動きも株価の上昇要因へ

WBC特需に加え、3月の権利付き確定日に向け配当権利取りの動きも株価の上昇要因につながるとみています。

同社は3月本決算となり、3月の権利付き確定日までに株式を買い付ければ、配当や優待を受け取ることができます。

権利付き確定日は3月29日(水)となります。


同社は2月8日、23.3期の期末配当予想を30円から40円に引き上げると発表しました。

説明を加えますと、権利付き確定日までに100株買い付けすれば、4000円の配当(税金等は考慮せず)を受け取ることができます。

配当の以外にも株主優待を受け取ることができます

ちなみに株主優待は、ミズノ直営店や公式オンラインなどで利用できる優待割引券(一部商品を除き2割引)が贈呈されます。


アシックスなど他のスポーツ用品関連株にも注目

WBCを契機に野球への関心が高まれば、グローブなど野球用品の販売にも好効果が波及する公算が大きくなりそうです。

今回はミズノを取り上げましたが、その他には、大谷翔平選手にシューズやグローブを提供するアシックス(7936)、グローブやバットなど野球用品を手掛けるゼット(8135)などにも関心が向かう可能性があります。

ミズノを中心に、スポーツ用品関連銘柄に注目してみてください。


日本株情報部 アナリスト

角屋 昌範

2005年に国内証券会社へ入社後、投資情報部や調査部に在籍。投資情報部では、米国や香港株式市場見通しの作成など海外金融市場に関する調査業務に携わる。調査部では、ネット関連セクターを中心に国内個別企業のアナリストレポートを執筆した。 国内証券会社などを経て2019年に入社。主に先物市場見通しなど「デリバティブコンテンツ」を担当。 CFP DCプランナー

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