日本のゲーム会社であるポケットペア(東京都品川区)が、2024年1月19日にリリースした「Palworld (以下、パルワールド)」が大ヒットとなっています。パルワールド公式Xは2月1日に、PCゲームなどのダウンロード販売を行うSteam上は1200万本、Xbox上では700万人という大記録を達成したと発表しています。すさまじい勢いですね。ポケットペアは上場企業ではありませんので、同社や「パルワールド」に関連した上場企業を探してみました。
1.KLab(3656)
まず、スマホゲーム開発・運営を行うKLab。KLabは1月26日に、ポケットペア(東京都品川区)と、ハイブリッドカジュアルゲームの開発・運営を共同で行うと発表しました。両社の取り組みは2020年にスタートし、数々のプロトタイプ開発とKPIテストを経て、今回、事業化に至ったとしています。
この発表を受けて286円(25日終値)だったKLabの株価は30日に488円まで一時上昇しました。もちろん、共同開発するゲームが「パルワールド」のように大ヒットになるとは限りません。ただ、ポケットペアは面白いゲームを作ることができる会社であると考えます。
ポケットペアの開発した「パルワールド」に関しては、一部の「パル(ゲーム内に出てくるモンスターのようなもの)」のデザインが人気ゲーム「ポケットモンスター」のモンスターに酷似しているとの声もあり、批判的なコメントも少なくありません。ただ、サバイバルアクションゲームである「ARK: Survival Evolved」などの要素も取り入れ、面白いゲームに仕上げていると感じます。
面白いゲームの要素を集めるだけで、面白いゲームができるとは限りません。やはり、様々な要素をうまく取り込めるセンスなり、能力が必要になると思います。「パルワールド」がこれだけ売れるのは、それだけ面白いからであり、ポケットペアにそれだけの開発力があると考えられます。
KLabとポケットペアのハイブリッドカジュアルゲームの続報に注目していきたいと思います。
2.MCJ(6670)
次に「マウス」ブランドのパソコン販売などを行うMCJ。現在、「パルワールド」をプレイできるのは、パソコンとXboxです。
ネット上では、「子供にパルワールドをプレイしたいのでパソコンを買ってほしいといわれた」との話も出てきています。なお、Steam上には以下のシステム要件が掲載されています。
Steamより引用
「草の表現」など最高品質でパルワールドをプレイする、もしくは友人とのマルチ・プレイで「パルワールド」をプレイするとなると、それなりのスペックのゲーミングPCが必要となりそうです。低品質プレイするにしても、グラフィックボードが必須な点はハードルが高いといえます。
家庭用ゲーム機で現状プレイできるのはXboxのみですが、日本国内ではそれほど普及していません。なお、早期アクセスゲームであることからPlayStation版がすぐに出るとは考えづらいです。Nintendo Switch版はさすがに期待できないですね。
このような状況ですので、ゲーミングPCの販売が伸びる可能性があります。コロナ禍を経て落ち込んでいるパソコン販売の復調が期待されることから、MCJに注目しています。
3.カバー(5253)
最後はVチューバー事務所「ホロライブプロダクション」を運営するカバー。カバーの多くのVチューバーがリリースから「パルワールド」をプレイしており、その動画をみてプレイし始めた人も多いと思われます。なお、動画上に「プロモーションを含みます」との表示はないので、企業案件ではなく、純粋に面白いからプレイしているということでしょう。
「パルワールド」が大ヒットになっていることは、カバーのVチューバーにとってもよい宣伝になったと考えられます。今後の企業案件の獲得などにプラスに働く可能性もありますので、カバーのさらなる業績拡大つながることを期待したいと思います。
まとめ
今回は「パルワールド」関連として、3社を取り上げました。「パルワールド」は、プレイヤー数が1900万人を突破するなど、驚異的な大ヒットとなっています。なお、Steam版が3400円と手頃な価格なのも大ヒットの要因と考えます。
一部「パル」のデザインへの批判はありますが、日本の小さなゲーム会社がこれだけヒットするゲームを作ることができたということは快挙だと思います。今後どこまでプレイヤー数を伸ばすのか、今回取り上げた銘柄とともに注目していきたいと思います。