今回解説していく通貨はトルコリラ円(TRY/JPY)です。年初からの下落トレンドが続いており、依然として下値リスクを警戒すべき局面にあります。
ファンダメンタルズ面では、トルコ中銀はインフレ警戒姿勢を維持。利下げ再開は遠のき、当面は引き締め的なスタンスが維持されるでしょう。
今後のトルコリラ円の相場焦点:中銀はインフレ警戒姿勢を維持
まずはトルコの現在の金融政策状況を確認していきます。
トルコ中央銀行は2023年6月に金融引き締めを開始。2024年3月に政策金利を50.00%まで引き上げて、2024年12月から金融緩和局面へと移行しました。現在の政策金利は37.00%です。
●トルコ中銀が7月に金利据え置きを決めた直近会合での声明文では
・インフレの基調的な傾向は6月にわずかに低下。先行指標は基調的な傾向が7月に一時的に上昇することを示唆している
・金融政策の決定はインフレ見通しに焦点を当てて、会合ごとに慎重に行われる
・委員会はインフレの上振れリスクに対して非常に注意を払ったままであることを改めて表明
などの見解が示されました。
総じて中銀はインフレ警戒姿勢を維持しました。今後の中東情勢やエネルギー価格の動向次第ではありますが、物価安定が達成されるまで引き締め的なスタンスは維持され、インフレ見通しが著しく悪化した場合は金融引き締めに動く可能性も示唆。利下げ再開の可能性は遠のいたままとみるべきでしょう。
トルコリラ円相場の日足分析(1):年初からの下落トレンドが継続中
下図はトルコリラ円の日足チャートになります。

現在は年初からの下落トレンド(チャート上の青色実線)となっており、7月末に政府・日銀による為替介入が実施されて円が全面高となった局面では下げが加速。ただ、チャネルライン付近でいったん下げ止まり、今後はどこまで戻りを試すことができるかという点が注目されそうです。
もっとも、チャート下部に追加した「DMI」で確認すると、現在は-DI>+DI(下落トレンド)を示唆しています。トレンドの強さを示すADXも上昇しており、安心して押し目買いを進める状況ではないことも覚えておきましょう。
トルコリラ円相場の日足分析(2):これまでの安値3.43円なども戻りの目処に
今度はトルコリラ円の日足チャートから目先の上値・下値目処を探っていきましょう。

戻りの目処としてはまず現在の下降トレンドライン(チャート上の青色実線)が意識されるでしょう。また、現在の状況は下降トレンドラインと7月末まで下げ止まっていた安値(チャート上の黄色実線、3.43円)で形成された三角保合を下抜けたことで売りが加速したと捉えることもできるため、前述の3.43円付近も重要な戻りの目処になりそうです。
一方、下値は8月3日につけた史上最安値の3.26円が目処になります。同水準を下抜けた場合、テクニカル上の目処は見出しにくいですが、史上最安値の3.26円から現在の短期的な戻り局面でつけることになる「戻り高値」までの倍返し水準などがポイントになりそうです。
今後の取引材料・変動要因をチェック:日銀は早ければ9月に追加利上げも
最後に今後1カ月間の経済指標や重要イベントも確認しておきます。注目はトルコ中銀の金融政策。また、期間内には予定されていませんが、日銀は9月17-18日に金融政策決定会合が控えています。
トルコ中銀に関してはインフレ動向に大きな変化が見られない限り、金利は当面据え置かれる見込み。一方、日銀は9月会合で追加利上げに動く可能性も意識されており、今後も注意が必要となります。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
8月21日 日本 7月全国消費者物価指数(CPI)
9月3日 トルコ 8月CPI
9月10日 トルコ トルコ中銀、金融政策会合



