【空売り比率の見方を知ろう】

空売り比率とは

空売り比率とは東証の場合、東証の取引金額のうち空売りの取引がどの程度あったかを金額の比率で表したものです。空売りとは、信用取引や貸株市場で株式を調達して売却する取引のことです。


ただし、空売り比率は新規の空売り取引を対象にしたものであり、信用買い残のように未決済の株式の残高を表しているのではないことには留意しておく必要があります。


価格規制ありと価格規制なし

空売り取引は「価格規制あり」と「価格規制なし」の2種類があります。「価格規制あり」とは内外の投資家が貸株市場で調達した株式を売却した場合と、信用取引で50 単位を超える株式を売却した場合の取引のことです。


「価格規制なし」とは個人投資家の行う 50 単位以下の信用取引のことです。裁定取引の新規売りなども含まれています。


大ざっぱにいうと、「価格規制あり」とはヘッジファンドなど内外機関投資家の商いです。「価格規制なし」とは小口の個人投資家の商いとみることができます。このため、空売り比率の推移をみる場合では、「価格規制あり」 と「価格規制なし」の合計だけでみるのではなく、「価格規制あり」 と「価格規制なし」に分けた比率をみることも重要です。


図表は、「価格規制あり」 と「価格規制なし」の合計と日経平均株価の推移をみたものです。空売り比率のピークと日経平均株価の底が概ね一致していることがわかります。空売り比率は市場趨勢指標の一種であり、極端に空売りが多くなると株価の方は陰の極にあることが多く、買い場としての有力な判断材料となります。



日本株情報部 チーフストラテジスト

東野 幸利

証券会社情報部、大手信託銀行トレーダー、大手銀行などの勤務を経て2006年に入社。 マーケット分析やデリバティブ市場のコンテンツを担当。世界主要指数や個別株を対象にテクニカル・ストラテジーの提案。 日経CNBC「夜エクスプレス」、日経チャンネル「マーケッツのツボ」、テレビ東京「モーニングサテライト」、ラジオ日経(金曜後場マーケットプレス)など 会社四季報プロ500、ダイヤモンド・ザイ、日経マネー、株主手帳など 金融機関向けコラム「相場一点喜怒哀楽」 IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA) 日本テクニカルアナリスト協会理事 CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務) DCアドバイザー(確定拠出型年金教育・普及協会)

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