空売り比率とは
空売り比率とは東証の場合、東証の取引金額のうち空売りの取引がどの程度あったかを金額の比率で表したものです。空売りとは、信用取引や貸株市場で株式を調達して売却する取引のことです。
ただし、空売り比率は新規の空売り取引を対象にしたものであり、信用買い残のように未決済の株式の残高を表しているのではないことには留意しておく必要があります。
価格規制ありと価格規制なし
空売り取引は「価格規制あり」と「価格規制なし」の2種類があります。「価格規制あり」とは内外の投資家が貸株市場で調達した株式を売却した場合と、信用取引で50 単位を超える株式を売却した場合の取引のことです。
「価格規制なし」とは個人投資家の行う 50 単位以下の信用取引のことです。裁定取引の新規売りなども含まれています。
大ざっぱにいうと、「価格規制あり」とはヘッジファンドなど内外機関投資家の商いです。「価格規制なし」とは小口の個人投資家の商いとみることができます。このため、空売り比率の推移をみる場合では、「価格規制あり」 と「価格規制なし」の合計だけでみるのではなく、「価格規制あり」 と「価格規制なし」に分けた比率をみることも重要です。
図表は、「価格規制あり」 と「価格規制なし」の合計と日経平均株価の推移をみたものです。空売り比率のピークと日経平均株価の底が概ね一致していることがわかります。空売り比率は市場趨勢指標の一種であり、極端に空売りが多くなると株価の方は陰の極にあることが多く、買い場としての有力な判断材料となります。