特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回は2026年7月に取り上げたトヨタ自動車(7203)の値動きを振り返ります。

1カ月後の株価は小幅高
8月10日の終値は2981円でした。7月8日の終値は2889円でしたので、値動きを見た1カ月では92円の上昇となりました。
28万8900円が29万8100円となり、92円×100株で9200円の上昇(手数料・税金は考慮せず)、上昇率は+3.2%となりました。
7月以降は戻り基調に
それでは、この間の値動きを確認してみましょう。

値動きを見た期間では、じわじわと水準を切り上げる展開となりました。
7月後半には出遅れ感のある銘柄に見直し買いが入っており、7月29日には3224円まで水準を切り上げました。
8月に入ると反動売りに押されましたが、直近の安値を下回ることなく切り返しています。なお、この期間の安値は7月13日につけた2794円でした。
7月はキオクシアホールディングス(285A)や電子部品株などAI関連の多くが大幅安となりましたが、AI関連以外のダメージは限定的でした。月間では、大型ハイテク株の影響を受けやすい日経平均は8%を超える下落となった一方、TOPIXはプラスを確保しています。
6月までの動きがさえなかったトヨタは、7月は一段安を回避して値を戻しています。AI関連は急失速したことから、8月12日時点ではトヨタが時価総額ランキングのトップとなっています。
上方修正に対する反応は微妙
トヨタは8月4日に第1四半期決算を発表しており、通期の見通しも上方修正しました。しかし、これを受けた4日の株価は売り反応となりました。
通期の営業利益の見通しは3兆円から3兆4000億円に引き上げています。ただ、トヨタは前2026年3月期の営業利益が3兆7662億円で、修正した計画でも前の期との比較では減益となります。期初の計画自体が保守的との見方も多かっただけに、期待したほどの上方修正ではないと受け止められました。
一方で、叩き売られるような動きにはなっておらず、その後の推移を見ても下値は拾われています。
下値不安は後退、円高は懸念材料
値動きを見た期間の株価は、概ね堅調に推移しました。決算で戻り加速とまではいきませんでしたが、6月24日の安値2686円は割り込むことなく1カ月以上が経過しています。8月12日時点でもPBR(株価純資産倍率)は1倍を下回っており、バリュエーション面では依然として割安感があります。
一方で、気になるのは為替動向です。7月末に急速に円高(ドル安)が進んでおり、その後の報道で日米による協調為替介入が実施されたと伝わっています。
自動車メーカーは円安の方が業績期待が高まります。また、株式市場において自動車株は、円高が意識された際には嫌われる業種の代表格となっています。
ここから先は、節目の3000円近辺で値を固めることができるかが焦点となります。下値不安は和らぎつつあるので、円高が警戒される中でも3000円を大きく割り込まなければ、底打ちに対する期待が次第に高まってくると考えられます。3233円まで上昇した7月29日の動きはなかなか強いものでした。この時の高値を早々に上回ることができるようなら、「当面の売りが出尽くした」との見方が強まる展開にも期待が持てます。




