朝一番の株取引で損をしないコツ、知っていますか?初心者投資家が見逃している「寄り天」という現象が、あなたの投資成績を左右するかもしれません。たった1日で10%以上の損失が出る可能性もある寄り天。私も個別株を買い始めたタイミングで引っかかってしまいました。
しかし、正しい知識と簡単な戦略を覚えておけば、むしろ投資チャンスに変えられるのです。本記事では寄り天の基本情報と投資家が取れる戦略について解説します。
寄り天(よりてん)とは?
「寄り天」の「寄り」は取引開始時(寄り付き)を指し、「天」は最高値を意味します。つまり「寄り天」とは、その日の取引が始まってすぐに株価が最高値をつけ、そこから下がっていく相場のことです。一般的には、朝9時の取引開始直後に起こります。
朝の取引では市場開始前に多くの買い注文が入ると、始値が押し上げられます。9時の開始と同時に、前取引で集まった注文が執行されると株価が急上昇するのが特徴。その後、高値を付けたと判断した投資家が売りに出るため、株価は下落します。
個人投資家が前日のニュースを判断材料にして、朝一番に成功注文を入れておくと寄り天によって損する可能性があるため、注意しなければいけません。寄り天が頻発する訳ではありませんが、相場の動きを覚えておくだけで不要な損失を減らせます。
寄り天が発生する主な要因
寄り天が発生する主な要因は、以下のとおりです。
・海外市場の影響
・企業情報の影響
・投資家の警戒感
海外市場を調査すると、前日の米国市場が好調だった場合に、その影響を受けて日本市場も強気になり寄り天は発生する可能性があります。
また、企業情報で好材料なニュースが出回ると、寄り天が発生するかもしれません。たとえば、決算発表が好調だったり、大型契約などポジティブなニュースが出ると買い注文が増えるのが一般的です。また、新商品やサービスがスタートすると投資家の期待が高まり、市場開始と同時に買い注文が集中しやすくなります。
他にもネガティブなニュースが出て、日中の株価が下落して寄り天になる可能性もあります。寄り天を見極めるために、朝起きてから海外市場や企業情報などをリサーチしておくのが重要です。
寄り天が濃厚なときに投資家が取れる戦略
寄り天が濃厚なときに投資家が取れる戦略には、大きく分けて以下の3つがあげられます。
・朝に成行注文を出すのを控える
・押し目買いを狙う
・空売りから取引に入る
朝に成行注文を出すのを控える
朝に成行注文を出しておくと、高値付近で約定してしまう可能性が出てしまうため、損失が大きくなります。そこで朝に成行注文を出すのを控えるだけでも、寄り天による損失を回避できます。
朝のニュースから相場や銘柄の上昇を期待して買い入れておきたいときは、指値で注文を入れておくのがリスクを最小限に抑えられるのでおすすめです。
指値注文だと株を買えないタイミングが出てきますが、その日は難しい相場であると諦めるのが長期的にみてリターンを増すポイントです。
押し目買いを狙う
普段から買いで注文を出している投資家の方は、押し目買いを狙ってみるのもいいでしょう。
市場が開いたタイミングは売りより買い注文のほうが需要は高く、値上がりが期待できるのですが、いつ高値をつけるか予測するのが困難です。そこで、日中以降に株価が下がったタイミングで買い注文を入れ、値上がりを待ったほうが負ける確率を減らせます。
また、個人のメンタルとしても買いから注文するなら、売りの需要が下がったタイミングで取引したいもの。寄り天が濃厚なときは朝に買い注文を入れるより、押し目買いを狙ってみてはいかがでしょうか。
空売りから取引に入る
高値を見越して空売りから取引に入るのは、寄り天のときに勝ちやすい戦略です。最初に買い取引が先行した分、売りの需要が強まるからです。
押し目買いを狙う戦略は、株価が値下がりするのを待たなければいけないため、時間をロスするデメリットがあります。空売りから入れば時間の損失がなくなるため、取引に慣れた投資家は効率的に収益をあげるチャンスを作れます。
ただし、過去の高値を超えた株価が付いているときは注意が必要です。寄り天にハマると思っていた銘柄が、そのまま株価が上昇し続ける可能性もあるからです。
過去の抵抗線を見て上限付近に株価がきているときは、日中に値下がりすると見越して空売りから取引に入ってみるのも1つの戦略といえます。買い注文で慣れてきたトレーダーの方は、空売りにも挑戦してみてはいかがでしょうか。
寄り天を見極めるのが難しいときには見送るのも重要
一般的に寄り天において朝一に高値を付けますが、さらに株価が上昇する可能性もゼロではありません。初心者のうちは寄り天が濃厚か見極めるのが難しいので、無理に取引に参加せず見送るのも重要な戦略です。
寄り天を見極められるようになってきたら、取引に参加してみてはいかがでしょうか。