第85回「待つのも相場・・・待てないならやってはいけない」

ディールを行うにおいて個人的に常に頭に入れているのは

「やらぬ後悔より、やる後悔」ということです。


「あの時にドルを買って(売って)いればよかった」と後から後悔するよりも

ドルを思い切って買ったことで、それがアゲインストにいったとしても

やらないよりも、やった後悔のほうがマシだと思っています。


その理由としては、一度やって後悔をすれば、その後悔から学ぶことはありますが

やらないで後悔しても、さほど学ぶものがない、と思っているからです。


待つのも相場とは?


では、「待つのも相場」とはどういう意味でしょうか?


2月の11日週に米国から複数のインフレ指標が発表されました。

13日に1月消費者物価指数(CPI)、16日に同月卸売物価指数(PPI)、同日にはミシガン大学調査による

2月米消費者態度指数の中で期待インフレなど、重要インフレ指標が相次いで発表されました。

そして、そのどれもが市場予想を上振れ、米国のインフレが低下していないことが確認されました。


これらの指標が発表された以後も、米国からも注目経済指標が発表されていることは確かですが

インフレ指標としては、次に出る重要なものは2月29日発表予定の2月個人消費支出(PCE)までありません。

約2週間にわたり、米国のインフレ高止まりを否定するものが出てきません。


あくまでも、自分の持っているポジションの持ち値や、ほかの経済指標の重要度

米連邦準備理事会(FRB)関係者の発言などを詳らかに読み取らなければなりませんが

新たなインフレ指標も出ない局面で、個人的にはドルのポジションを

ばたばたと売ったり買ったりしたくはありません。


例えば、ドル対円を持っている場合で、日本の金融情勢に変化が生じた場合は

ドルの動きというよりも円の動きに左右され、ドル円が動意づくことで、売買をする必要はあるでしょう。

しかし、米国のインフレだけを観点に置いた場合は、2週間は新しいデータもないことで、

右往左往する必要はないのではと思います。



待てないならやってはいけない


世の中では方向感が定まらない相場でも、売買をして儲けているようなことを吹聴する方もいます。

実際に方向感(トレンド)がないにもかかわらず、儲けることができるディーラーはいます。

しかし、あくまでもそれは極限られた数しかいなく、トレンドレスの相場では負ける人数の方が多いと思います。


それにもかかわらずトレードを促そうとして、いかにも儲けています、儲かりますと吹聴するのを

信じすぎない方が良いでしょう。下手な鉄砲は数打っても当たらないものです。

隣の芝生は青く見えるというのはわかりますが、相場でも待てないのであればやってはいけないときがあるのを

念頭に臨んだ方が良いのではないかと思われます。


為替情報部 アナリスト

松井 隆

大学卒業後、1989年英系銀行入行。入行とともに為替資金部(ディーリングルーム)に配属。以後2012年まで、米系、英系銀行で20年以上にわたりインターバンクのスポット・ディーラーとして為替マーケットで活躍。ロンドン本店、アムステルダム、シンガポール、香港の各支店でもスポット・ディーラーとして活躍する。 銀行退職後は本邦総研、FX会社のコンサルティング、ビットコインのトレーディング等多岐にわたって活躍。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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