8月に権利確定日を迎える銘柄の中でも、外食チェーンとして安定した人気を誇る「壱番屋(ココイチ)」と「SFPホールディングス(磯丸水産)」は、株主優待としてもらえるお食事券が魅力です。
定期的に食事に行く方にとっては、実質的な割引として活用できる嬉しい特典ですが、投資先として検討するのであれば、株価や配当とのバランスも重要となってきます。今回は、この2銘柄について、株価や配当金額、株主優待の内容、利回りについて詳しくご紹介します。
壱番屋(7630)
壱番屋はカレー専門店「CoCo壱番屋(通称ココイチ)」を全国にチェーン展開する企業です。ハウス食品グループの子会社であり、ココイチの他にもあんかけパスタ専門店「パスタ・デ・ココ」やつけ麺屋「麺屋たけ井」なども運営しています。
壱番屋の株価
2025年7月時点の株価は約930円です。2012年までは300円以下を推移していた株価は、2013年に入り上昇し始め、2019年には約1200円の高値が付きました。2020年から2024年の株価は、小さな変動を繰り返しながらも約900円から約1200円の間で安定していましたが、2024年半ば頃から下落傾向が続いています。
株主優待はお食事券もしくは自社商品
壱番屋の株主優待は、毎年2月末と8月末の権利確定日に、100株以上の株式を保有する株主に対して、株式の保有数に応じて贈呈されます。
贈呈される株主優待の内容は、「ココイチ」「パスタ・デ・ココ」「ココイチベーカリー」で利用できるお食事券です。店内飲食の他、宅配弁当や店内商品購入にも利用できますが、高速道路のパーキングエリア内の店舗や映画館併設店舗など、一部の店舗では利用できません。
また、株主優待券を自社商品と交換することが可能です。交換するためには、「交換申し込み書」と必要枚数の優待券を同封し、郵送する必要があります。株式の保有数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
株主優待はいつ届く?有効期限は?
2月末の権利確定日に贈呈される株主優待は、5月中旬頃に送付され、翌年5月末までの有効期限となっており、8月末の権利確定日に贈呈される株主優待は、11月下旬頃に送付され、翌年11月末までの有効期限となっています。
配当金の権利確定日は2月と8月
2026年度の配当金は、8月末の中間配当で8円、2月末の期末配当で8円の、年間1株当たり16円となる予想です。この金額は、2020年度から6期連続で同じ金額を維持しています。
壱番屋の利回り
1株930円で100株購入した場合、投資金額は9.3万円です。配当金は1600円のため、配当利回りは約1.7%になります。また、株主優待として年間で約2000円相当のお食事券が贈呈されるため、優待利回りは約2.2%、配当と優待を合わせた利回りは約3.9%です。
株式の保有数に応じた配当と優待を合わせた利回りの一覧は、下記の表をご参考ください。
SFPホールディングス(3198)
SFPホールディングスは海鮮居酒屋「磯丸水産」をチェーン展開する企業です。クリエイトレストランツホールディングスの子会社であり、磯丸水産の他にも鶏料理居酒屋「鳥良」や寿司屋「きづなすし」なども運営しています。
SFPホールディングスの株価
2025年7月時点の株価は約2200円です。比較的株価変動が大きく、2019年に約2400円だった株価が2020年には約1200円まで下落、2022年頃から再び上昇し始め、2023年には約2400円まで回復しました。
2023年以降は、約1900円から約2300円の間を、小さな変動を繰り返しながら、ほぼ横ばいで推移しています。
株主優待はお食事券が年2回
SFPホールディングスの株主優待は、毎年2月末と8月末の権利確定日に、100株以上の株式を保有する株主に対して、株式の保有数に応じてお食事券が贈呈されます。株式の保有数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
株主優待が使える店舗
株主優待として贈呈されるお食事券は、SFPホールディングスが運営する各店舗で利用できます。子会社の「ジョー・スマイル」と「クルークダイニング」の各店舗でも利用できますが、一部利用できない店舗もあります。
株主優待が使える店舗は、ホームページの店舗検索で「株主優待利用可」にチェックを入れて調べることが可能です。株主優待を利用する場合は、事前に使える店舗を調べてから来店することをおすすめします。
配当金の権利確定日は2月と8月
2026年度の配当金は、8月末の中間配当で14円、2月末の期末配当で14円の、年間1株当たり28円となる予想です。この金額は、2021年度の無配当、2022年度の10円、2023年度の20円、2024年度の23円、2025年度の26円から5期連続で増配しています。
SFPホールディングスの利回り
1株2200円で100株購入した場合、投資金額は22万円です。配当金は2800円なので配当利回りは約1.3%になります。また、株主優待として年間で約8000円相当のお食事券が贈呈されるため、優待利回りは約3.6%、配当と優待を合わせた利回りは約4.9%です。
株式の保有数に応じた配当と優待を合わせた利回りの一覧は、下記の表をご参考ください。
まとめ
壱番屋とSPFホールディングスについてご紹介しました。どちらも2月末と8月末に配当と株主優待の権利確定日があり、年2回配当と優待の楽しみを味わうことができます。
壱番屋の株主優待は、お食事券だけでなく自社商品と引き換えることもでき利便性に優れていますが、株価が下落傾向にある点と、優待利回りがやや低い点がデメリットとして挙げられます。
どちらも、優待目的の投資を検討している方におすすめの銘柄です。ぜひこの記事の内容を参考に、投資先として検討してみてはいかがでしょうか。