週明けの日経平均は連日で史上最高値を更新
週明けの日経平均は大幅続伸。連日で史上最高値を更新しました。先週末の米国株は3指数がまちまちで強弱感が交錯。そんな中でも、日経平均は序盤で上げ幅を300円超に広げた後にいったん失速しましたが、マイナス圏入りを回避して切り返すと、改めて上値を試しにいく展開となりました。
東証プライム市場の売買代金は概算で5兆円。値上がり銘柄数1,130に対して、値下がりは443銘柄と、値上がり優位の展開でした。業種別では、サービス、輸送用機器、情報・通信などが上昇した一方、銀行、海運、電気・ガスなどが下落しました。
個別では、サンリオ(8136)が商いを伴って大幅上昇。IHI(7013)のほか、東京計器(7721)や石川製作所(6208)など防衛関連が買いを集めました。三越伊勢丹(3099)、J.フロント リテイリング(3086)、H2Oリテイリング(8242)など百貨店株が人気化。インドのモディ首相が税金引き下げに言及したと伝わったことから、インド市場に強みを持つスズキ(7269)が値を飛ばしました。一方、レーザーテック(6920)、ディスコ(6146)など半導体株の多くが大幅安。三菱UFJ(8306)などメガバンクがそろって下落しました。また、東京電力HD(9501)や北海道電力(9509)など電力株が軒並み安となりました。
週足でみるJ.フロント リテイリングの株価推移
図表は、J.フロント リテイリング(3086)の2024年1月からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的な流れとしては、2024年8月急落時の安値(1,226円)を起点としても、下値を切り上げる右肩上がりの動きが続いている状況です。
今年の4月の急落時も上昇基調が続く52週移動平均線を下回り、1,553円まで売り込まれる場面がありましたが、直後の上昇で高値を更新する動きにつながったことが確認できます。
一方、今年5月の年初来高値(2,281円)からの調整局面は、直近2回の調整局面に比べると下落幅が限定的です。上昇基調にある13週移動平均線をサポートにして、5月に形成した週足の長大陽線のレンジを下回らず早くも切り返しに入っています。
週明けは一時2,388.5円まで上昇し、年初来高値を更新しました。直近2回の調整局面では52週移動平均線を割り込む展開を余儀なくされましたが、今回は大きな押しはなく高値更新につながりました。
その結果、ここまでは短期的な上げ相場と下げ相場を繰り返しながら、右肩上がりの動きが続いてきた状況で明確な上昇トレンドとは言い難い動きでしたが、強い上昇トレンド発生の可能性が高まった局面といえます。
RSI(9週ベース)は買われ過ぎの過熱圏入りを示していますが、強い上昇トレンド発生などに生じる現象と捉えることができそうです。
また、13週移動平均線が上昇基調を続ける中、これまで横ばい基調だった26週移動平均線が上昇基調になってきたことも、株価上昇には追い風になることが予想されます。
短期的には、13週移動平均線からの上方かい離の拡大などを要因に下押す場面も想定されますが、中期的には13週移動平均線までの調整を挟みながら強い上昇モメンタム(勢い)を伴ったトレンド発生が期待できるかもしれません。