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日本は「お盆休み」 ドル円は方向感なく
今週のドル円は日本が「お盆休み中」、海外勢も多くが夏季休暇入りしていることもあって、米重要指標や要人発言などが相次いだにもかかわらず、大きな方向感は出ませんでした。今週の高値は12日の148.52円、安値は14日の146.21円で値幅は2.31円となりました。
まずは注目の12日の7月米消費者物価指数(CPI)ですが、前年比では予想を下回りましたが、エネルギーと食品を除くコア指数は前年比で予想を上回りました。市場では「警戒していたほどの物価上昇圧力が見られなかった」との声が聞かれました。一方、14日の7月米卸売物価指数(PPI)は前月比0.9%/前年比3.3%と予想の前月比0.2%/前年比2.5%を大きく上回り、食品とエネルギーを除くコア指数も前月比0.9%/前年比3.7%と予想の前月比0.2%/前年比2.9%を大幅に上回る強い数字となりました。これまで高まっていた米連邦準備理事会(FRB)による大幅利下げ観測が後退したことからドルが買い戻される展開となりました。
*Trading Viewより
一方、13日にはベッセント米財務長官の「米金利は今より1.50-1.75%低い水準にあるべき」「9月の0.50%利下げの可能性は高い」との発言が材料視されました。米早期利下げ観測が高まりドル売りが出たほか、ベッセント氏が植田日銀総裁と話したことを明らかにしたうえで、「日本はインフレ問題を抑える必要がある」と述べると「日銀に利上げを促したのではないか」との思惑が浮上し、円買いを促す結果に。
ただ、ベッセント氏は後日これを否定。「私は利下げを求めたわけではない。私が話したのは、中立金利にするには1.50%の利下げとなるとの考えを伝えただけ。また、5月と6月のBLSの悪化した数字が出たので、恐らく9月の0.50%利下げも可能になると話しただけ」とし、「あくまで中立金利の議論をしたまでだ」と釈明しています。
投機筋の円買いポジション、縮小が続く
米商品先物取引委員会(CFTC)が8月15日(日本時間16日早朝)に発表した8月12日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は7万4234枚の円買い越し(ドル円のショート)となり、前週から7772枚減少しました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
投機筋の円のポジションは昨年7月2日には18万4223枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録していましたが、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが優勢に。4月29日には17万9212枚と過去最大を更新しています。ただ、これ以降はその動きが一服。円買いポジションを縮小する動きが続いており、ドル円にはポジション調整目的の買いが入りやすくなっています。いまだ7万枚を超す円買いポジションがあるだけに、「燃料は十分」とも言えます。
ドル円の一目均衡表チャートを見ると
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(147.19円)で基準線(148.39円)や転換線(147.37円)は下回っていますが、雲の上限(145.38円)や下限(145.23円)は上回っています。テクニカル的にも方向感が出にくい状況です。また、今週は重要なポイントである200日移動平均線149.30円を一度も上回ることなく取引を終えています。今後ここをしっかりと上抜けてくると上サイドへの期待が高まりますが、現時点では厳しい状況。
*Trading Viewより
200日移動平均線は重要な中期線として、機関投資家など多くの市場参加者が注目するポイントになっています。テクニカル的なサポートやレジスタンスとしてだけではなく、ここを中心に投資家心理も大きく変わってくると言われています。この水準を再び超えて行けるかどうかが焦点です。
なお、現在のポジションはドル円ロング@144.235円。一時はポジションを切るかどうかの瀬戸際にきていましたが、現時点ではプラス。しばらくは上サイド突破を期待しながらポジションを維持していきたいところです。
*IG証券より
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