日経平均株価は5月~6月にかけては39000円を中心としたレンジで推移していましたが、6月後半にレンジ上限を突破。その後も上値を伸ばし、最高値更新が続いています。
今回はこの6月後半からの上昇を牽引した銘柄を確認します。具体的には、直近のレンジの上限を上抜けてきた6月26日から7月10日までの期間で、日経平均株価が上昇した日のプラス寄与度の合計が大きい銘柄のTOP10をみてきます。
なお、算出対象は日経平均株価が上昇した6月26日、28日、7月1~4日、7月9、10日となります。
日経平均株価の上昇を牽引した銘柄TOP10
日経平均株価の上昇を牽引した銘柄TOP10は以下の銘柄となりました。TOP10の算出対象期間における寄与度合計は2053円、当該期間の日経平均株価の上昇は3117円でしたので、TOP10だけで上昇の66%を占めています。ではTOP3についてみていきます。
第1位 東京エレクトロン
半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)が堂々の1位。算出対象期間の寄与度は418円で全体の上昇の13%を占める結果となりました。
米国市場におけるハイテク株の上昇という後押しもあり、堅調な株価推移が続いています。4月4日に更新した上場来高値40860円の更新も視野に入っています。
第2位 ファーストリテイリング
「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング(9983)が2位となりました。算出対象期間の寄与度は378円で全体の上昇の12%を占める結果となりました。
7月2日に発表した6月度の国内ユニクロ既存店売上高は前年同月比15%増と好調。3カ月連続で前年同月超えとなっています。同社も4月1日に更新した上場来高値48040円の更新が視野に入ってきています。
第3位 ソフトバンクグループ
第3位はソフトバンクグループ(9984)。算出対象期間の寄与度は346円で全体の上昇の11%を占める結果となりました。
同社は6月26日から7月11日まで12連騰と圧巻のパフォーマンス。7月4日には2000年2月15日に付けた上場来高値11000円を更新しました。その後も上場来高値更新が続いています。
日経平均株価の今後の見通し
今後の日経平均株価ですが、年末に向けてさらに一段高になると予想します。年後半にかけて米国株が堅調に推移し、それに追随する形で日経平均株価も堅調に推移するとみるからです。
今年は米国の大統領選挙の年であり、11月に投開票が行われる予定です。過去の大統領選の年の株価推移をみると、11月以降に株価が上向き、年末にかけて上昇しやすいという傾向があります。
また、7月11日時点において、FRBの利下げが9月または11月にもスタートすると予想されています。順調な利下げにより米国経済のソフトランディング(軟着陸)の可能性が高まれば、安定成長への移行が期待されます。これがさらなる米国株高につながると考えます。
「日経平均株価が最高値更新」と聞くと、手を出しづらく感じてしまう人も少なくないでしょう。しかし、上場企業の業績は円安の後押しなどもあり全体的に好調に推移しています。そこに米国株高が加わっていることから、上昇基調が続くと考えます。このような状況ですので、今回紹介した「日経平均株価の上昇を牽引した銘柄」は引き続き有望な投資先になると想定します。