NYダウ1276ドル安と5日ぶりに急落 強い8月消費者物価指数(CPI)を嫌気

13日のNY株式相場は急落。寄り前に発表された米8月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る強い結果となったことで、インフレのピークアウト期待や金融引き締め緩和期待が後退した。


9月20-21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.75%の大幅利上げが確実視されていたが、強いCPIを受けて1.00%の利上げの可能性も意識された。


ダウ平均は300ドル以上下落してスタートすると、終盤に1362ドル安まで下落幅を広げ、1276.37ドル安(-3.94%)の31104.97ドルで終了。下落幅は2020年6月以来の大きさとなった。

S&P500とナスダック総合もそれぞれ4.32%安、5.16%安で終了し、主要3指数がそろって5日ぶりの急反落となった。


S&P500採用銘柄は498銘柄が下落し、上昇は5銘柄のみ。

業種別では、コミュニケーションの5.64%安を筆頭に全11セクターが下落した。投資家の不安心理を示すVIX指数は27.27ポイントと前日比3.40ポイント上昇した。



8月CPIは前年比+8.3%と、6月分の+8.8%、7月分の+8.7%から2カ月連続で鈍化したものの、市場予想の+8.1%を上回った。

前月比では+0.1%となり、市場予想の-0.1%に反して上昇した。

変動の大きい食品・エネルギーを除くコアCPIも前年比+6.3%となり、市場予想の+6.1%や7月分の+5.9%を上回った。


強いCPIを受けて米金利とドルが上昇。米10年債利回りは前日の3.36%台から一時、3.46%と6月16日以来の水準まで上昇。ドル円は前日の142.84円から144円台に上昇した。


国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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