今回解説していく通貨はポンド円(gbp/jpy)です。テクニカル的は週足・日足ベースともに上昇トレンドが継続しており、当面は押し目買い戦略が有効となるでしょう。ただ、足もとの円相場の調整は無視できるものではなく、ここからは十分に引きつけた上で慎重に入る必要があります。
ファンダメンタルズ面では円相場を巡る環境が非常に不安定になっています。日米協調介入への警戒感が高まっている円相場全般の動きにくわえ、衆院選の行方や本邦債券相場の動向などにも警戒しておきましょう。
今後のポンド円の相場焦点:英中銀は緩和継続、利下げペースは鈍化見込み
まずは英国の現在の金融政策状況を確認していきます。
英中央銀行(BOE)の金融政策決定委員会(MPC)は2021年12月に金融引き締めを開始。2023年8月に政策金利を5.25%まで引き上げて、2024年8月から金融緩和局面へと移行。現在の政策金利は3.75%です。
●12月に開催された直近の会合では
・5人が0.25%引き下げを支持、4人が据え置きを主張
・今後の金融緩和の程度は、インフレ見通しの推移に依存する
・現時点のデータに基づけば、政策金利は今後も緩やかな低下経路をたどる可能性が高い
・ただし、さらなる金融緩和に関する判断はより微妙なものになっていく
・インフレは2%の目標を上回ってはいるものの、短期的にはより速いペースで目標に向けて低下する見込み
などの見解が示されました。
MPCの金融緩和方針は今年も維持される見込みですが、今後は緩和ペースも確実に鈍化していくことになるでしょう。金利先物市場では26日時点で今年前半までに1回程度の追加利下げを織り込んでいる状態です。
ポンド円の週足分析:上昇トレンドが継続、次は215円台や219円台が上値目標に
下図のチャートはポンド円の週足チャートになります。

現在も2020年3月安値を始点する上昇トレンド(チャート上の黄色実線)が継続中。目先の上値目標となっていた2024年7月11日高値の208.11円も上抜けて、足もとでは214円台まで上昇する場面も見られました。
また、チャート下部に追加した「DMI」で確認しても、+DI>-DIで現在が上昇トレンドにあることを示しているほか、トレンドの強さを示すADXも上昇基調にあり、週足ベースではしっかりとした上昇基調を形成。当面は押し目買い戦略が有効となりそうです。
その際の上値目標としては2008年7月高値の215.88円や2007年8月安値の219.36円(いずれもチャート上の青色実線)などが意識されるでしょう。
ポンド円の日足分析:今後の押し目買いは十分に引きつけたうえで
週足分析では押し目買いが有効としましたが、その一方で前週からの急落の影響は気になるところです。そのため、今度は日足で短期的なトレンドも確認しておきましょう。下図のチャートはポンド円の日足チャートです。

日足ベースでも昨年4月9日安値の184.39円を始点するしっかりとした上昇トレンド(チャート上の黄色実線)にあります。週足分析で示した2020年3月からの上昇トレンドラインはかなり下方にあるため、押し目買いの目処としては昨年4月からの上昇トレンドラインを利用したいところ。28日時点では204円台後半に位置しており、ここからの押し目買いは十分に引きつける必要があるでしょう。
それとは別に昨年11月5日安値の199.07円(チャート上の丸で囲った部分)も今後重要となります。昨年11月から年明けまで上昇が加速していたわけですが、その始点となる同水準付近には昨年4月安値から直近高値までの上昇幅に対するフィボナッチ半値押し水準も位置。この辺りまで明確に下抜けてしまうと、押し目買い方針の見直しも余儀なくされそうです。
今後の取引材料・変動要因をチェック:円相場を巡る不安定な状況には十分に警戒を
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は日本の政局および本邦債券と円相場の動向になるでしょう。
衆院選の投開票日を2月8日に控えるなか、前週までは自民党勝利を前提に積極財政が進むとした円売りシナリオが進んでいましたが、同時に与野党とも消費税の減税を掲げたことから財政懸念が意識されて国内の債券市場が混乱に陥りました。さらには日米による協調介入への警戒感も高まっており、足もとの円相場を取り巻く環境は非常に不安定となっています。
当面は衆院選の結果や協調介入が実施されるかなどを巡る思惑で、ポンド円も荒い値動きに警戒せざるを得ません。値幅を伴う動きが続く可能性を常に意識しながら、リスク管理をしっかりとしておきたいところです。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
2月5日 英国 英中銀(BOE)、政策金利発表
2月8日 日本 衆院選、投開票
2月18日 英国 1月消費者物価指数(CPI)
2月20日 日本 1月全国CPI



