井村ファンドの組み入れ銘柄が判明 1位はあの銘柄

運用会社fundnote(東京都港区)が運用する「日本株Kaihouファンド(井村ファンド)」が10月24日、有価証券届出書を関東財務局に提出しました。


同報告書により、井村ファンドがどんな銘柄を組み入れているのか、その詳細が判明したことで市場では組み入れ銘柄についてさまざまな議論がなされています。


まず大前提として、この報告書は7月31日現在の運用状況によるものです。ここから直近の9月末時点のレポートまででも毎月同ファンドのレポートをチェックしている方ならおわかりかと思いますが、銘柄の入れ替えが実施されておりそのまま受け止めるわけにはいきません。


その点を踏まえたうえでも、やはり今までわからなかった井村ファンドがどんな銘柄を買っていたのかは気になるところ。そのためいったん7月末時点での組み入れ銘柄について、一覧にしたうえで見ていきたいと思います。


井村ファンド組み入れ上位銘柄(7月末時点) 訂正有価証券届出書よりDZHFR作成



銘柄で組み入れトップとなったのはテレビ朝日ホールディングス<9409.T>。同時点での組み入れ比率は16.21%となりました。セクターとしては情報通信ということで、テレビ局のどこかではないかという予想も市場の一部では聞かれていました。


組み入れ2位は大垣共立銀行<8361.T>で比率は15.28%。繰り返しになりますが、これは7月末時点のものです。このあと8月9月と買い増しを実施し、保有割合が5%を超えたことで大量保有報告書を提出していることから、同銘柄の保有は明らかになっていました。


組み入れ3位の川田テクノロジーズ<3443.T>で、こちらも保有が明らかになっている銘柄です。比率は13.55%。同じく組み入れ4位の大末建設<1814.T>も大量保有報告がなされています。比率は10.65%。


5位はジャストシステム<4686.T>です。こちらについて筆者が過去に掲載した予想記事で候補に挙げていた銘柄となります。組み入れ比率は10.57%。


6位は兼松<8020.T>で比率は10.32%。ただし、こちらは月次レポートを読んでいれば、お分かりになるかと思いますが、セクターが卸売になっており8月末のレポートでは保有が確認できていません。おそらくですが、現時点ではすでに売却済みだと思われます。


7位はベルーナ<9997.T>で比率は9.97%。こちらについては市場でも組み入れの有力候補として挙げられていました。月次レポートのコメントなどでも保有をにおわせる記述などがあり、それを見越して保有していた人もいたかと思います。


8位はヤマト<1967.T>で比率は6.51%。9位がエフアンドエム<4771.T>で比率は4.67%。こちらについては10月22日に大量保有報告が出ていますので、7月末時点より大幅に買い増していることがわかっています。続いて10位がTYK(東京窯業)<5363.T>、11位が豊和工業<6203.T>となっていますが豊和工業も9月22日受付分の大量保有報告により、保有分をすべて売却していることが明らかになっています。


こうしてみると、7月末からでもかなりポートフォリオの入れ替えを進めていることがわかりますね。もうしばらくすると10月分の月次レポートも公表されることになると思いますが、激動の月となった同月にどれくらい動きがあったのかを見るのが楽しみです。


日本株情報部 アナリスト

斎藤 裕昭

経済誌、株式情報誌の記者を経て2019年に入社。 幅広い企業への取材経験をもとに、個別株を中心としたニュース配信を担当。

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