旅行代理店のJTBは、2026年1月8日に「2026年訪日旅行市場トレンド予測」を発表しました。
これは訪日外国人旅行について、同社が観光庁・JNTO(日本政府観光局)などの公的統計・調査データやIMF(国際通貨基金)の経済予測およびJTBグループの予約動向などをもとに独自に作成したものです。
同予測によると、2026年はインバウンドなんと前年比で減少が見込まれているとのことです。コロナの影響があった時期を除いて、訪日客数はここ数年ずっと増加基調が続いてきました。そのトレンドが転換する時期がきたということなのでしょうか。
訪日旅行需要推移および予測値
JTB発表資料よりDZHFR作成

国ごとの詳細な予測を見てみると、多くの国・地域からの訪日外国人旅行者数は増加するものの、中国・香港からの需要減により、全体の人数では前年をわずかに下回ると見込んでいるようです。ちなみに、2026年の訪日外国人旅行者数は4140万人(前年比97.2%)を見込んでいます。
一方で、訪日消費額については9.64兆円(前年比100.6%)を見込んでおり、人数は減るものの、消費額は微増で過去最高水準を維持。ホテルなど宿泊費の上昇と、中国や香港などよりも滞在期間が長い傾向のある欧米の訪日客数の割合が高まることで消費額を押し上げるもようです。
「欧米豪」の旅行者はアジア客と比較して約2倍ほど長く滞在し、客数ベースではなく宿泊数でカウントした場合にはすでにアジア各国と並ぶ規模になっていると指摘されています。
また、ほかの特徴としていわゆる従来の「ゴールデンルート(東京~大阪)」に加え、北陸経由の新ルートを選ぶ欧米豪客が増えているなどの変化も見られるようです。これは初めて日本を訪れる訪日客だけでなく何度も訪れている旅行者が増えていることも影響しているようです。
別の視点からでは、中国からの旅行客では主に減少が見込まれているのは団体旅行客で、個人旅行が主体の客数には大きな影響はないと予想されれています。ここから客層の違いが地域ごとのインバウンド客数見通しにも影響するとJTBでは分析しています。
例えば、中国は団体旅行客のシェアが3割と高い近畿や中部地方は、中国からの旅行客減少の影響が大きいとみられています。一方で個人旅行客が主体の東北地方や沖縄、九州地方などは影響が小さいとみられています。
中国については台湾をめぐる足もとの対立懸念はもちろん、中国経済など先行き不透明感が強く、動向を予測するのは難しい面もありますが、全体としてはインバウンドが不調となるわけではなく、2026年に減少する予測だといっても、そこまで悲観的になる必要はないかもしれません。



