利回り5%超えの高配当株は、安定収入を重視する投資家にとって魅力的な存在です。今回は、3月末に決算を迎える「伊藤ハム米久」と「UTグループ」の2銘柄について、株価動向や配当方針、株主優待の有無まで詳しく解説します。
伊藤ハム米久ホールディングス(2296)
伊藤ハム米久ホールディングス(以下、伊藤ハム米久)は、2016年に伊藤ハムと米久が経営統合して誕生した食品メーカーです。ハムやソーセージ、真空調理品などの加工食品の製造・販売および食肉の調達・加工を行っています。
2025年度の売上高は約9900億円、経常利益は約208億円でした。2026年度は売上高が約1兆円、経常利益は約285億円となる予想で、増収・増益となる見込みです。2023年度以降は減益が続いていましたが、2026年度は食肉事業の好調により大幅増益が予想されています。
株価は急上昇中
2026年2月時点の株価は約6200円です。2018年まで約5000円前後だった株価は、円安や物価高の影響で下落し、2019年から2023年にかけて約3000円から約4000円の間で低迷しました。
しかし、2025年2月時点で約3700円だった株価は、5月には約5000円、9月には約6000円まで急上昇しています。株価が急上昇した理由は、配当金の増配と業績好調が影響していると考えられます。
株主優待でハムやベーコンがもらえる
伊藤ハム米久の株主優待は、毎年3月末の権利確定日に、200株以上の株式を保有する株主に対して、約5000円相当のハムやベーコンなど株主限定オリジナル自社商品が贈呈されます。なお、株主優待は毎年6月中旬頃に発送される予定です。
2026年度の配当金は年2回の記念配当
2026年度の配当金は、6月末の記念配当で85円、9月末の中間配当で70円、12月末の記念配当で90円、3月末の期末配当で75円の、年間1株当たり320円となる予想です。この金額は、2020年度の85円、2021年度の105円、2022年度の115円、2023年度の120円、2024年度の125円、2025年度の145円から6期連続で増配しています。
配当方針は安定と継続
伊藤ハム米久は、2024年度から2026年度の中期経営計画にて、DOE(株主資本配当率)3%以上かつ累進配当を掲げています。DOE3%以上とは、純資産に対して安定的に配当を行う方針を示しており、株主還元を重視する姿勢がうかがえます。また、累進配当とは、配当金の減配を行わないことです。
伊藤ハム米久の利回り
1株6200円で200株購入した場合、投資金額は124万円になります。配当金額は年間1株当たり320円のため6万4000円となり、配当利回りは約5.2%です。また、株主優待として約5000円相当の自社商品が贈呈されるため、配当と優待を合わせた利回りは約5.6%になります。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2022年度は約3.3%、2023年度は約3.5%、2024年度は約3.2%、2025年度は約3.7%でした。今期は記念配当が多く、特に高利回りではあるものの、毎年3%以上の安定した利回りが継続していることが分かります。

UTグループ(2146)
UTグループは、主に製造業への人材派遣サービスの提供および業務請負を行う企業です。
また、地方の中小企業向け人材派遣サービスや外国人派遣サービス、人材育成・紹介なども行っています。
2025年度の売上高は約1900億円、経常利益は約83億円でした。2026年度は売上高が約1700億円、経常利益は約96億円となる予想です。製造派遣市場の伸び悩みから売上高は減収するものの、採用手法の見直しや単価上昇などにより増益となっています。
株価変動は大きい傾向
2026年2月時点の株価は約200円です。2016年まで約50円以下だった株価は、2018年には約290円まで上昇しました。その後は約120円から約300円の間で頻繁に変動しており、比較的変動が大きい傾向が見られます。
株主優待は未導入
UTグループの株主優待は、現時点では導入されていません。
2026年度の配当金は年4回
2026年度の配当金は、6月末の第一四半期配当で2.68円、9月末の第二四半期配当で2.97円、12月末の第三四半期配当で2.6円、3月末の第四四半期配当で2.6円の、年間1株当たり10.85円となる予想です。この金額は、2024年度の6.41円、2025年度の8.99円から2期連続で増配しています。
配当方針は配当性向100%
UTグループは、2026年度から2029年度の配当方針として配当性向100%を掲げています。配当性向100%とは、純利益の全てを株主に還元することを示しています。
UTグループの利回り
1株200円で100株購入した場合、投資金額は2万円になります。配当金額は年間1株当たり10.85円のため1085円となり、配当利回りは約5.4%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2022年度は約0.7%、2023年度は0%、2024年度は約3.7%、2025年度は約5.0%でした。2024年度以降、急激に配当利回りが高くなっていることが分かります。

まとめ
利回り5%超えの「伊藤ハム米久」と「UTグループ」についてまとめました。
どちらも高利回りの魅力的な銘柄ですが、伊藤ハム米久は記念配当を含めた利回りが5%を超えたのであり、来期以降の配当が例年通りの水準(利回り約3%前後)に戻った場合、高利回りにより上昇した株価が下落する可能性があります。
また、UTグループは配当性向100%を配当方針として掲げていますが、2029年度以降もその水準を維持できるかどうかや、企業としての成長が鈍化する可能性などのリスクも伴います。
利回りの高さだけでなく、株価や配当方針など、様々な情報を総合的に見て、投資先として判断してみてはいかがでしょうか。


