生活必需品を扱う製紙大手の「大王製紙」と「日本製紙」は、実用的な株主優待で注目される一方、近年は赤字決算や株価下落も話題になっています。今回はこの2銘柄の株主優待内容や届く時期、業績悪化が株価や配当に与える影響を整理して解説します。
大王製紙(3880)
大王製紙は、新聞紙や段ボール原紙、ティッシュ、トイレットペーパー、紙おむつなどの紙製品を製造・販売する総合製紙メーカーです。特に「エリエール」ブランドが有名で、ベビー用紙おむつは世界30カ所で販売されています。
株価下落の理由は赤字決算?
2026年2月時点の株価は約1000円です。2021年から2022年にかけて、新型コロナウイルスの影響で、マスクの生産数増加および梱包用紙の需要拡大により業績好調となり、株価は約2200円まで上昇しました。
しかし、2022年頃から円安の進行とウクライナ情勢の長期化により、紙製品を製造する上で必要不可欠な石炭・チップなどの原燃料の価格が上昇しました。それにより2023年度は赤字決算となり、株価は約750円まで下落しています。
株主優待の自社商品詰合せはいつ届く?
大王製紙の株主優待は、毎年3月末の権利確定日に、100株以上の株式を1年以上継続して保有する株主に対して、保有株数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、自社商品詰合せです。
贈呈される自社商品の内容は、キッチンペーパーやウエットティッシュなどの家庭用衛生用品で、毎年7月頃に配送されます。保有株数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。

配当金がもらえるのはいつ?
2026年度の配当金は、9月末の中間配当で7円、3月末の期末配当で7円の、年間1株当たり14円となる予想です。この金額は、2025年度と同じ金額を維持していますが、2022年度は22円、2023年度と2024年度は16円と減配が続いています。
大王製紙の利回り
1株1000円で100株購入した場合、投資金額は10万円です。配当金は1400円なので、配当利回りは約1.4%になります。また、1年以上継続して保有すると、株主優待として約1500円相当の自社商品詰合せが贈呈されるため、優待利回りは約1.5%、配当と優待を合わせた利回りは約2.9%です。
なお、300株を1年以上継続した場合に贈呈される株主優待相当額は約3000円相当なので、優待利回りは約1.0%、配当と優待を合わせた利回りは約2.4%となります。
日本製紙(3863)
日本製紙は、新聞紙やパルプ、特殊紙、ティッシュ、紙パック、段ボールなどの紙製品を製造・販売しています。さらに、紙製品事業だけでなく、木材由来の化成品や木材・建材の製造・販売、バイオマス発電による電力供給、レジャー施設運営など様々な事業を展開する総合素材メーカーです。
株価下落のタイミングは赤字決算?
2026年2月時点の株価は約1100円です。2019年頃までは株価は約2300円でしたが、赤字決算の発表に伴い株価が下落し始めます。さらに、コロナウイルスの蔓延と円安、原材料費高騰による業績悪化の影響で株価は下落し続け、2022年には約900円まで下落しました。
2023年には価格改定による業績回復により株価も約1400円まで回復します。しかし、2024年に再び円安と原材料費高騰による赤字決算が発表されたタイミングで、株価は約800円まで下落しました。
日本製紙の株主優待はいつ届く?
日本製紙の株主優待は、毎年3月末の権利確定日に、100株以上の株式を1年以上継続して保有する株主に対して、自社製品の家庭用品詰合せが一律で贈呈されます。
贈呈される家庭用品の内容は、トイレットペーパーやティッシュなど約1500円相当で、毎年7月上旬頃に配送されます。

配当金は増配予想
2026年度の配当金は、9月末の中間配当で5円、3月末の期末配当で10円の、年間1株当たり15円となる予想です。赤字決算だった2023年度の配当金は無配当でしたが、2024年度と2025年度は10円、今年度はさらに増配される見込みとなっています。
日本製紙の利回り
1株1100円で100株購入した場合、投資金額は11万円です。配当金は1500円なので、配当利回りは約1.4%になります。また、株主優待として約1500円相当の自社商品詰合せが贈呈されるため、優待利回りは約1.4%、配当と優待を合わせた利回りは約2.7%です。
やばい!株主優待が届かない!そんな時は?
大王製紙と日本製紙の株主優待は、どちらも3月末時点で証券会社に登録されている住所に宅配便にて配送されます。宅配便での配送の場合、郵便局の転居届を出していても再配送されません。また、配送されてから再配達依頼をせず保管期間を過ぎると、商品は返送されてしまい、受け取れなくなります。
株主優待が返送されてしまった場合は、大王製紙は12月末までに、日本製紙は翌年3月末までに問い合わせをすると、株主優待を再発送してもらえます。
まとめ
大王製紙・日本製紙ともに、ティッシュやトイレットペーパーなど日常使いできる優待が魅力ですが、業績は原材料高や為替の影響を受けやすく、株価は業績に応じて大きく変動する傾向にあります。
株主優待目当ての投資であっても、株価動向や赤字・減配リスクを理解したうえで慎重に投資判断をすることが重要といえるでしょう。



