第212回 2026年最新のNZドル円見通し:上昇トレンドを維持も調整リスク浮上

今回解説していく通貨はニュージーランド(NZ)ドル円(NZD/JPY)です。NZ準備銀行(RBNZ)は今年7月から金融引き締め方針へと転換。金利先高観は広がっていないものの、年内に追加利上げが実施される可能性はありそうです。

テクニカル面では長期の上昇トレンドこそ維持していますが、足もとでは調整リスクを意識すべき局面にあるようです。短期的には85円台までの調整もあり得るでしょう。


今後のNZドル円相場の焦点:利上げ方針継続もNZの金利先高観は広がらず

まずはNZの現在の金融政策状況を確認していきます。

 

NZ準備銀行(RBNZ、中央銀行)は2024年8月から金融緩和を開始。2025年11月に政策金利を2.25%まで引き下げた後、今年7月から金融引き締め局面へと移行しました。現在の政策金利は2.75%です。

 

●RBNZが金利の引き上げを決めた9月直近会合での声明文では

・今後の政策決定は、中期的なインフレに対するリスクのバランスに関する委員会の判断に依存

・引き続き警戒を怠らず、中期的にインフレ率が持続的に2%の目標中央値へ戻ることを確実にするため、必要に応じて対応していく

・中心となる経済見通しを前提とすれば、OCR(政策金利)をさらに引き上げる必要が生じる可能性があると判断

などの見解が示されました。

 

ただ、ブレマン総裁はその後に「追加利上げの可能性は高い」としながらも、「予め決められた政策方針はなく、利上げのタイミングは極めて不確実」などと言及。市場でRBNZの金利先高観が広がる流れとはなりませんでした。現時点では年内の今後の2会合(10月28日と12月9日)で計1回程度の追加利上げを織り込んでいる状態です。


NZドル円の週足分析:上昇トレンド継続ながら調整リスクに警戒

下図はNZドル円の週足チャートになります。

 


現在は2020年3月安値を始点とする上昇トレンド(チャート上の青色実線)内で推移。さらに昨年4月安値を始点とするしっかりとした上昇トレンド(チャート上の黄色実線)もしばらく維持していましたが、こちらは足もとで下方向にブレイクしました。

チャート下部に追加した「DMI」で確認すると-DI>+DI(下落トレンド)を示唆。前述したように大きな流れは上昇基調にありますが、目先は調整リスクへの警戒が必要な局面と言えるでしょう。


NZドル円の日足分析:85円台までの調整も視野に

今度は日足チャートでもNZドル円の流れを確認していきます。

 


96円台手前で何度か伸び悩んだ後、今年1月から形成されたレンジ相場(チャート上の青で囲った部分)を下抜けてきました。

チャート下部に追加した「DMI」で確認しても-DI>+DI(下落トレンド)を示唆。ここからは昨年8月から何度かサポートとして機能した85円台(チャート上の赤で囲った部分)までの調整も視野に入れる必要があるかもしれません。

一方で、今後の戻り目処に関しては、水準よりもこれまでのレンジ相場内へ復帰することが肝要となりそうです。


今後の取引材料・変動要因をチェック:日銀の利上げペースは加速するか

最後に今後1カ月間の経済指標や重要イベント等も確認しておきます。注目は日銀の金融政策。市場では0.25%の追加利上げをほぼ織り込んだ状態にあり、注目は今後の利上げペースとなるでしょう。米国側から強い円安是正圧力を受けるなか、今後は日銀の利上げペースが加速するとの思惑も広がっています。

一方、NZでは期間内に目立った経済イベントの発表はなし。7-9月期消費者物価指数(CPI)は10月22日、次回のNZ準備銀行(RBNZ)金融政策決定会合は10月28日に予定されています。

その他のイベントは以下の通りとなります。

 

今後1カ月の重要イベント

・9月17-18日 日本 日銀金融政策決定会合

・9月18日 日本 8月全国消費者物価指数(CPI)

為替情報部 アナリスト

岩間 大祐

大学卒業後の2004年に国内証券会社に入社。 外国為替証拠金取引業務に携わった後、金融情報サービス会社にて個人投資家向けの為替情報配信業務を担当。市況サービスのほか、テクニカル分析を軸にした情報を配信する。 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

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