今回解説していく通貨はユーロドル(EUR/USD)です。2022年からの上昇トレンドが続いており、年初からの調整局面も一服の気配が見られています。ここからは2021年高値の1.23ドル台を目指して上値追い姿勢が強まるか注目されます。
ファンダメンタルズ面では、欧州中央銀行(ECB)は9月理事会でも追加利上げを実施する見込み。ECBがインフレ警戒姿勢を維持するなか、10月以降の利上げペースに注目が集まりそうです。
今後のユーロドルの相場焦点:市場では9月追加利上げをほぼ織り込む
まずはユーロ圏の現在の金融政策状況を確認していきます。
欧州中央銀行(ECB)は2024年6月に金融緩和を開始。2025年6月までに政策金利を2.15%へと引き下げて、2026年6月から金融引き締め局面へと移行しました。現在の政策金利は2.40%です。
●ECBが金利の据え置きを決めた7月の直近理事会での声明文では
・不確実性は高いままであり、エネルギーショックのインフレへの全影響はまだ現れていない
・理事会はショックの強さと期間、ならびにその間接的効果および二次的効果を注視している
・適切な金融政策スタンスを決定するために、データ依存型および会合ごとのアプローチに従う
などの見解が示されました。
「理事会は特定の金利経路を事前コミットしていない」として、次回の政策決定に対する言及を避けましたが、強いインフレ警戒姿勢を示しました。市場では次回(9月10日)理事会での追加利上げをほぼ織り込んでおり、注目はその後の利上げペースに移っています。
ユーロドルの週足分析:年前半の調整終了で上昇トレンドも勢いを増すか
下図はユーロドルの週足チャートになります。

現在も2022年9月安値を起点とする上昇トレンド(チャート上の黄色実線)が継続中。今年前半はやや伸び悩む場面も目立ちましたが、足もとでは1.17ドル台までじわりと下値を切り上げています。
チャート下部に追加した「DMI」で確認すると+DI>-DI(上昇トレンド)を示唆。トレンドの強さを示すADXも低下基調が一服しており、今後はADXの回復とともに上昇トレンドが鮮明になっていく可能性もあるでしょう。
ここからの中長期の上値目標としては2021年1月につけた直近高値の1.2349ドル(チャート上の青色実線)が意識されるでしょう。
ユーロドルの日足分析:4月17日高値超えが直近の目標に
では短期的な視点で今後のユーロドルの見通しを確認していきます。下図は日足のユーロドルチャートです。

週足分析で指摘したように、現在は2022年9月安値を起点とする上昇トレンド(チャート上の黄色実線)となっています。
チャート下部の「DMI」で確認すると、現状は+DI>-DI(上昇トレンド)。トレンドの強さを示すADXが急上昇していることもあり、ここから積極的に上値追いムードとなることも期待されますが、まずは今年1月からの調整局面終了を確定したいところです。そのためには4月17日につけた直近高値の1.1849ドル(チャート上の丸で囲った部分)を上抜ける必要があるでしょう。
今後の取引材料・変動要因をチェック:ジャクソンホール会議に注目
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は欧米の両中銀による金融政策。欧州中央銀行(ECB)は前述したように追加利上げがほぼ織り込まれていますが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ織り込み度は現時点で4割程度となっています。
米金融政策に関する見通しが立てづらいなか、毎年恒例のジャクソンホール会議が27日から開催されるため、ウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長の講演に注目が集まっています。
その他の経済指標・イベント等は以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
8月27-29日 米国 ジャクソンホール会議(FRB議長の講演は28日)
9月1日 ユーロ圏 8月消費者物価指数(HICP、速報値)
9月4日 米国 8月雇用統計
9月10日 ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)理事会
9月11日 米国 8月消費者物価指数(CPI)
9月15-16日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)



