今回解説していく通貨は豪ドル米ドル(AUD/USD)です。テクニカル面でみると、2025年4月安値を始点とする上昇トレンドが継続中。基本的には押し目買い戦略が有効となりそうですが、ヘッドアンドショルダーズへと向かうリスクなども一応頭に入れておきましょう。
ファンダメンタルズを確認すると、豪準備銀行(RBA)はインフレ警戒姿勢を維持しつつも金利据え置きを続けており、今後もしばらくは据え置かれる見込みです。
今後の豪ドル米ドルの相場焦点:豪中銀は当面金利を据え置きか
まずは豪州の現在の金融政策状況を確認していきます。
豪準備銀行(RBA)は2022年5月に金融引き締めを開始。2023年11月に政策金利を4.35%まで引き上げて、2025年2月から金融緩和局面へと移行しましたが、今年2月の会合で再び金融引き締めへと転じました。現在の政策金利は4.35%です。
●RBAは8月に開催された直近の会合で政策金利を据え置きましたが、その際の声明文では
・総合インフレ率は依然として高水準、トリム平均インフレ率も高水準を維持している
・今年3回にわたる政策金利の引き上げを受けて、金融環境は引き締まった
・上振れリスクが顕在化した場合の追加利上げを含め、インフレ率を持続的に目標水準に戻すために必要と判断される措置を今後も講じる
RBAは今回も強いインフレ警戒姿勢を示し、追加利上げの可能性も示唆しました。一方で同時に公表された四半期経済報告ではトリム平均インフレ率の予測が下方修正されており、RBAが警戒している「インフレの上振れリスクが顕在化」が起きなければ、当面金利の据え置きが続くでしょう。
金利先物市場では年内に1回の追加利上げを60%ほど織り込んでいるものの、金利先高観は高まっていません。
豪ドル米ドルの週足分析:上昇トレンド維持も、トレンドの勢いは鈍化
下図は豪ドル米ドルの週足チャートになります。

2021年2月高値を始点とする下落トレンド(チャート上の青色実線)は昨年末に上方向にブレイクし、現在は昨年4月安値を始点とする上昇トレンド(チャート上の黄色実線)に移行。現在も上昇トレンド内で推移しています。
ただ、チャート下部に追加した「DMI」で確認すると現在は+DI>-DI(上昇トレンド)を示唆しているものの、トレンドの強さを示すADXが急失速している点は気になるところです。
豪ドル米ドルの日足分析:ヘッドアンドショルダーズへと向かうリスクも
ここからは短期的な視点から見ていきます。下図は豪ドル米ドルの日足チャートです。

昨年4月安値を始点とする上昇トレンド(チャート上の黄色実線)が維持されていることを考えると、基本的には同線などを目処にした押し目買い戦略が有効となるでしょう。
一方で、直近高値の更新を失敗した場合はより一層の注意が必要となります。ポイントになるのが、3月30日につけた年初来安値の0.6833米ドル(チャート上の青色点線)です。6月末にかけての調整局面でも同水準がサポートとして機能したようですが、高値更新の失敗後にこの水準(ネックライン)を下抜けると、テクニカル的には「ヘッドアンドショルダーズ」の完成となり、上昇トレンド自体が終了する可能性も高まります。
今後の取引材料・変動要因をチェック:中東リスクの再浮上でインフレ動向も要注意
最後に今後1カ月間の重要イベントを確認しておきます。注目は米国の金融政策。米国のインフレ鈍化によって、足もとでは米利上げ観測も後退していましたが、中東情勢を巡る不透明感がまたぞろ浮上してきており、原油価格と米インフレ動向にも再び注目が集まるでしょう。なお、期間内には豪準備銀行(RBA)の金融政策理事会は予定されておらず、次回は9月28-29日に開催されます。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
8月26日 豪州 7月消費者物価指数(CPI)
9月4日 米国 8月雇用統計
9月11日 米国 8月CPI
9月15-16日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)



