これまで上値を試す展開が続いていたドル円相場ですが、足もとでは155円台の節目を明確に割り込み、主要レンジが「155/160→150/155」へと切り下がる流れとなっています。日米金融政策観の変化に加え、米高官による円安牽制や投機筋のポジション調整が重なり、マーケット参加者の視線は下値リスクへと移りつつあります。
155円割れ潮流変化「155/160→150/155」
これまで下値支持線として意識されていた155円を割り込んだことで、ドル円は「155/160→150/155」へレンジが下方シフトしたかどうかを見定める局面に入っています。
日銀による早期の追加利上げ観測が高まる一方、米国では利上げ観測が後退し、政策金利の据え置きが強く意識されるようになりました。さらにベッセント米財務長官による円安牽制発言も重なり、相場は急速に円高・ドル安方向へと振れています。9月8日には一時152円台まで下落し、わずか1週間足らずで大きく水準を切り下げる展開となりました(図表参照)。
この155円割れは、単なる一時的な調整にとどまらず、従来の「155/160」を中心とした相場から、より低い水準へ定着する可能性を示す動きです。155円の下抜けにより、それまで下値を支えていた買い需要が後退し、下向きの値動きが志向されやすい地合いへと変化しています。
「155/160→150/155」シフトの行方、需給・金利観が交錯
「155/160→150/155」へのシフトを後押ししているのが需給の構造変化です。これまで積み上がっていた円売りポジション(キャリートレード)は、日銀の追加利上げ観測なども背景となり巻き戻されています。円高が進むにつれ、ポジション解消に伴う追随的な円買いがさらなるドル円の押し下げ要因となり得る状況です。
一方、個人投資家をはじめとする一部のマーケット参加者には、従来どおり下落局面でドルを買い下がる動きもみられます。しかし、155円割れ以降は慎重姿勢が強まった感があり、相場が一段と下落した場合には含み損を抱えたドル買いポジションの手仕舞いや損切りが連鎖的な円買いを促す展開も懸念されます。
日米の金融政策観と金利差の見通し変化、さらにキャリートレードの巻き戻しが重なることで、ドル円は従来の「155-160」から「150-155」へとレンジを切り下げたと考えられます。もっとも、150円近辺には一定のドル買い需要も想定されるため、一直線に円高が進行するとは限りません。今後は物価指標や日米中央銀行の政策判断を見極めつつ、150円前半を新たな下値の軸として定着させられるかが焦点となります。



