NYダウ1201ドル高と急反発 物価上昇の鈍化を好感しナスダックが7%高

10日のNY株式相場は急反発。米10月消費者物価指数(CPI)が予想を下回る伸びとなったことで、インフレのピークアウト期待が高まった。


ダウ平均は700ドル以上上昇してスタートすると、1201.43ドル高(+3.70%)の33715.37ドルで終了。

S&P500も5.54%高と大幅反発し、ハイテク株主体のナスダック総合は7.35%高の急反発となった。

上昇率はダウ平均が2020年5月以来の大きさとなり、S&P500とナスダック総合もそれぞれ2020年4月、2020年3月以来の大幅高となった。


CPIの鈍化を受けて米10年債利回りは前日の4.15%台から3.81%台に急低下し、ドル円が5円以上下落するなどドルも主要通貨に対して大きく下落した。


金利低下やドル安が好感され、アマゾンが12.18%高、メタ・プラットフォームズが10.25%高と急伸し、アップル、マイクロソフト、テスラ、アルファベットも7-8%上昇。

半導体株はエヌビディア、アドバンスト・マイクロ・デバイセズがともに14%超上昇した。


寄り前に発表された10月CPIは前年比+7.7%と前月の+8.2%から伸びが鈍化し、予想の+8.0%も下回った。

変動の大きい食品・エネルギーを除くコアCPIも+6.3%と前月の+6.6%や予想の+6.5%を下回った。


CPIの鈍化を受けて利上げペースの減速期待が強まった。CMEのフェド・ウォッチの12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75%利上げ確率は前日の43%から10%に急低下し、0.50%の利上げ確率が大きく高まった。


国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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