NYダウ397ドル高と大幅反発 利上げペースの減速期待高まる

22日のNY株式相場は反発。メスター米クリーブランド連銀総裁の発言を受けて先行きの利上げペースの減速期待が高まったことや、好決算や見通し引き上げが好感されたベストバイなどの決算発表銘柄の大幅高で投資家心理が改善した。


ダウ平均は終日プラス圏で推移し、397.82ドル高(+1.18%)の34098.10ドルで終了。8月16日以来、約3カ月ぶりに34000ドル台を回復した。

S&P500も1.36%高の4003.58ポイントで終了し、9月12日以来の4000ポイント台を回復した。

ハイテク株主体のナスダック総合は0.44%安まで下落後、1.41%高まで上昇し、1.36%高で終了した。


業種別ではS&P500の全11セクターが上昇。原油高を受けてエネルギーが3.18%高となったほか、素材が2.23%高、IT、コミュニケーション、一般消費財、金融も1%超上昇した。


センチメントは改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は21.29ポイントと前日比1.07ポイント低下。8月19日以来の水準まで低下した。


中国で新型コロナウイルス感染が再拡大し、都市封鎖による景気悪化が懸念されたものの、メスター米クリーブランド連銀総裁が最近のインフレデータは改善を示しており、利上げペースの減速を支持すると発言したことで、利上げの最終到達地点(ターミナルレート)の見通しが低下。米10年債利回りは前日の3.82%台から3.75%に低下した。


決算発表銘柄は、8-10月決算が予想を上回り、2023年の見通しを引き上げたベストバイが12.78%と急伸し、アバクロンビー・アンド・フィッチも赤字予想に反して黒字決算を発表し、21.42%高と急騰した。このほか、アジレント・テクノロジーとアナログ・デバイセズも決算が好感され8.08%高、5.77%高となった。

一方、見通しを引き下げたダラー・ツリーが7.79%安となり、売上高が予想を下回ったメドトロニックが5.30%下落した。

国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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