ダウ142ドル安と5日続落 決算が嫌気された金融株が下落

14日のNY株式相場はおおむね軟調。7月米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げ懸念や景気後退(リセッション)懸念が続く中、JPモルガン・チェースなどの大手金融機関の決算が失望されたことも重しとなった。


ダウ平均が142.62ドル安(-0.46%)、S&P500も0.30%安とともに5日続落し、ナスダック総合は0.03%高とわずかながら4日ぶりに反発した。

ダウ平均は朝方に628ドル安(-2.04%)まで下落し、S&P500とナスダック総合も2%超下落する場面もあったが、ダウ平均とS&P500は下落幅を大幅に縮小し、ナスダック総合はプラス圏を回復した。


ダウ平均採用銘柄はボーイング、アップルが2%上昇した一方、トラベラーズが4.68%安、JPモルガン・チェースが3.49%安となり、ゴールドマン・サックス、キャタピラー、アメリカン・エキスプレスも2%超下落した。

S&P500の11セクターはITが0.93%高となった一方、金融、エネルギー、素材、コミュニケーション、不動産が1%超下落した。



寄り前に発表されたJPモルガン・チェースとモルガン・スタンレーの4-6月期決算は、ともに調整後の一株当たり利益が市場予想を下回った。

JPモルガン・チェースは貸倒引当金を積み増し、自社株買いを中止するとしたことで米国経済全体の悪化懸念が強まった。


金融株はJPモルガンが3.49%安となったほか、モルガン・スタンレーが0.38%安、翌日に決算を発表するシティグループが2.99%安、ウェルズ・ファーゴが0.84%安となり、来週月曜日に決算を発表するゴールドマン・サックスも2.95%下落した。


国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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