【トレンドライン分析～その②】

トレンドライン分析で何がわかる？

過去の一定期間をさかのぼってチャートの全体像をみると、その方向性をトレンドでつかむことができます。

しかし、トレンドを漠然とみているだけでは、そのトレンドがいつ転換するのかを把握することはできないでしょう。投資に最も重要な投資のタイミングを見逃すことになりかねません。

そこで、大ざっぱなトレンドをより精密に捉えようとするトレンドライン分析が必要になります。トレンドライン分析は価格推移に1本の直線を引き、トレンドをより具体的につかむための手法です。この1本の線が入っているチャートをみることで、価格の方向性を一目瞭然に全体像としてつかむことができます。

価格が上昇しているときに引く直線を「上昇トレンドライン」、下降しているときに引く直線を「下降トレンドライン」といいます。今回は下降トレンドラインについて説明します。

下降トレンドライン 

下降トレンドラインは価格推移の中で生じた高値同士を結んで引きます。このため、下降トレンドでは価格は下降トレンドラインを下回る水準で推移し、下降トレンドラインを上回る高値は基本的に存在しません。「上値抵抗線」と呼ばれることもあります。

図表は、テルモ（4543）の日足チャートです。高値同士を結んだ直線が複数確認できます。角度の急な下降トレンドラインが引かれるときは下落の勢いが強く、角度の緩やかな下降トレンドラインが引かれるときは下落の勢いが弱いと判断します。直近に引かれた下降トレンドラインが、それ以前の下降トレンドラインと比較して角度が急になったか、緩やかになったかに注目することで、勢いの変化を推測できます。

長く続く下降トレンドラインは、長い下落相場を意味するので重要視されます。下降トレンドラインより下で推移していた価格が、下降トレンドラインを上回れば騰勢の鈍化を示唆します。逆に、過去に引かれた下降トレンドラインの上で推移していた価格が、下降トレンドラインを下回れば下落の勢いの加速を示唆しています。

価格が２本の下降トレンドライン間で推移しているときは、上側の下降トレンドラインが抵抗線、下側の下降トレンドラインが支持線として機能することがあり、それぞれの売り買いの目標値をはかる判断材料として利用することができます。

下降トレンドライン付近で価格が反発に転じる回数が多いほど、有効な下降トレンドラインといえるでしょう。ただし、その回数の多さはトレンドが終了してからでないと比較できないため、直近で反転頻度が多い下降トレンドラインに着目することが重要です。