コロナ禍では外出や旅行が減り、株主優待や配当を取りやめる企業が相次ぎました。今回は、株主優待が復活したパーク24(タイムズ)と、株主優待が拡充されたエイチ・アイ・エス(以下、HIS)を比較し、株主優待の使い方や配当利回り、株価の違いを解説します。今から買った場合の1年目の利回りは、パーク24が約3.3%(配当のみ。ほかにタイムズカーの入会特典)、HISが約5.9%になります。
パーク24(タイムズ)vsエイチ・アイ・エス(HIS)
下記の一覧表は、パーク24とHISの株価、株主優待の権利確定日、株主優待内容、配当の権利確定日、配当金額、利回りの比較です。車を持たずにときどき車を使う人にはパーク24、旅行の予定がある人にはHISをおすすめします。
2社とも権利確定日は10月31日です。2026年は31日が土曜日のため、権利付き最終日(この日までに買えば株主優待と配当の権利を得られる最終日)は10月28日(水)になります。

パーク24(4666)
パーク24は、時間貸し駐車場「タイムズ」とカーシェアリング「タイムズカー」を全国で運営する企業です。また、駐車場の運営の引き受けや、企業向けの車の貸し出しも行っています。
株価はコロナ前の水準に戻らず
2026年9月末時点の株価は約2000円です。2018年には約3500円の高値を記録しましたが、2020年には約1300円まで急落し、その後も当時の水準に戻っていません。
人の移動が減ると売上が落ちる事業のため、コロナ禍で業績が大きく悪化したことが、今も株価に影響していると考えられます。
ただし売上は4期連続で増加し、最終的に手元へ残る利益は、会社の予想で2026年度(2026年10月までの1年間)に2025年度の約2.8倍となる見込みです。
パーク24の株主優待が復活、タイムズカーで使える内容は?
パーク24の株主優待は、コロナ禍の2020年度から中止されていましたが、2026年度から復活します。権利確定日は10月31日で、100株以上保有する株主に「タイムズカー」の入会特典とカーシェアeチケットが贈呈されます。
入会特典は入会後3か月間の月額基本料金880円が無料になり、eチケットは1枚880円分の利用料金にあてられます。ただしeチケットは1年以上保有している株主が対象のため、買ってすぐの年は入会特典のみとなる点に注意が必要です。
eチケットの枚数は保有期間で増え、100株なら1年以上で2枚、3年以上で3枚、5年以上で4枚です。1年以上とは、4月末と10月末の株主名簿(会社が管理する株主の一覧)に、同じ名義で続けて3回以上載っていることを指します。なお、2027年度以降の優待内容は未定と会社が発表しています。
保有株数と保有期間に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。

株主優待の使い方
入会特典は、タイムズカーにまだ入会していない人だけが使えます。入会はタイムズカーのサイトから行い、特典の有効期限は発行後およそ3か月間です。4か月目からは月額基本料金880円がかかるため注意が必要です。
eチケットはスマホで使う電子チケットで、保有数と有効期限はタイムズカーのマイページで確認できます。タイムズカーを予約するときに「カーシェアeチケット」を選ぶと、その予約の利用料金から880円が割り引かれます。使えるのは1回の利用につき1枚までです。
880円は、いちばん安いクラスの車をおよそ1時間借りられる金額で、駐車場の料金に使うものではありません。
eチケットの有効期限は発行後およそ1年間で、転売は禁止されています。株主優待の案内は、毎年1月末ごろに届く予定です。
配当金は年間65円予想、前年度の2倍以上に
2026年度の配当金は、10月末の期末配当のみで年間1株当たり65円の予想で、中間配当はありません。
配当金はコロナ禍で途絶え、2022年度と2023年度も無配当でした。2024年度に1株5円で再開し、2025年度は30円で、2026年度は65円に増える予想です。
パーク24の配当利回りは約3.3%、合計は約4.1%
1株2000円で100株購入した場合、投資金額は20万円です。配当金は年間6500円なので、配当利回りは約3.3%になります。
株主優待は1年以上保有するとeチケット2枚で1760円相当になるため、優待利回りは約0.9%、合わせた利回りは約4.1%です。入会特典(2640円相当)は、すでに会員の人は受け取れないため利回りに入れていません。
ただし今から買うと、eチケットの対象は2027年10月末以降で、その時期の優待内容は未定になりますのでご注意ください。
エイチ・アイ・エス(9603)
HISは、海外・国内の旅行商品を店舗とインターネットで販売する旅行会社です。また、ホテルやテーマパークの運営、九州を中心とした交通事業なども行っています。
HISの株価下落が続く理由は?
2026年9月末時点の株価は約1100円です。2015年には約4800円の高値を記録しましたが、2020年には約1100円まで急落しました。その後、約3000円まで戻った時期もありましたが、いまはコロナ禍の安値と同じ水準になっています。
売上は4期連続で増加し、本業のもうけも黒字が続いています。それでも株価が戻らないのは、2026年度は最終的に赤字になる見込みだからと考えられます。
会社の決算発表によると、主な原因は、グアムのホテルの土地を買い取った際に、土地を借りる契約を途中で解約したことによる約59億円の一時的な損失です。
HISの株主優待券(旅行クーポン)は拡充、今年は3000円分の上乗せも
HISの株主優待は、毎年4月末と10月末の権利確定日に、100株以上保有する株主に、保有株数に応じて株主優待券が贈呈されます。株主優待券は、旅行代金の割引に使えるクーポンです。100株なら1回1000円相当で、年間では2000円相当です。
これに加えて、2026年10月末のみの特別優待として、100株以上の株主に3000円相当が上乗せされます。また、2026年10月末から3年以上保有すると年1回3000円分が贈呈される長期保有優待も新設され、最初の対象は2029年10月末です。
さらに、優待券の有効期限が1年から3年に延び、使い切れなかった分を翌年以降の旅行に回せるようになりました。
保有株数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。

株主優待の使い方
HISの株主優待券は、店舗での申し込みにもインターネット予約にも使えます。細かな手順は、優待券と一緒に届く案内で確認できます。
1回に使える金額は1人あたりの旅行代金で段階的に決まり、1万円以上なら1000円分、5万円以上なら5000円分、10万円以上なら1万円分までです。100株で受け取る4000円分をまとめて使えるのは、1人5万円以上の旅行です。4月末の権利確定分は6月下旬ごろ、10月末の分は翌年1月下旬ごろに届きます。
使い道も広がり、グループのホテルやテーマパークのラグーナテンボス、海外用Wi-Fiなどを扱うHIS Mobileなど、10社で使えるようになりました。
配当金は年間25円予想、20円から増配へ
2026年度の配当金は、10月末の期末配当で年間1株当たり25円となる予想で、2025年度の20円から増配する見込みです。
HISは2022年度から2024年度まで無配当で、2025年度の20円で配当を再開しました。
HISの配当利回りは約2.3%、2026年度の合計は約6.8%
1株1100円で100株購入した場合、投資金額は11万円です。配当金は年間2500円なので、配当利回りは約2.3%になります。
株主優待は通常の年で2000円相当のため、優待利回りは約1.8%、合わせた利回りは約4.1%です。2026年度は特別優待の3000円相当が加わり、合計は約6.8%です。
ただし今から買うと、2026年10月末の権利確定で対象になるのは配当2500円と優待券4000円分で、合わせた利回りは約5.9%です。
保有株数に応じた利回りは、下記の表をご参照ください。

まとめ
パーク24がおすすめな人は、車を持たずにときどき車を使う人や、カーシェアリングを試したい人です。一方、HISがおすすめな人は、旅行の予定がある人や10万円台から始めたい人になります。
どちらもコロナ禍で止まった配当が戻ったばかりで、パーク24は株主優待が復活し、HISは株主優待が拡充されました。買ってすぐ対象になるのは、パーク24の入会特典とHISの優待券になります。
ただしパーク24は2027年度以降の優待内容が未定で、HISの上乗せは2026年10月末限りになるので、ご注意ください。株主優待や配当だけでなく、業績や株価の動向も確認したうえで、投資先として検討してみてはいかがでしょうか?



