(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=137.36円(前営業日比▲0.85円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=140.52円(▲0.12円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0230ドル(△0.0050ドル)
ダウ工業株30種平均:32036.90ドル(△162.06ドル)
ナスダック総合株価指数:12059.61(△161.96)
10年物米国債利回り:2.87%(▲0.15%)
WTI原油先物9月限:1バレル=96.35ドル(▲3.53ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=1713.4ドル(△13.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標) <発表値> <前回発表値>
前週分の米新規失業保険申請件数 25.1万件 24.4万件
7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
▲12.3 ▲3.3
6月米景気先行指標総合指数(前月比) ▲0.8% ▲0.6%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは反発。欧州中央銀行(ECB)はこの日開いた定例理事会で、政策金利を0.50%引き上げることを決めたと発表。一部の市場予想(0.25%利上げ)を上回る利上げ幅となったことを受けて全般ユーロ買いが先行した。前日の高値1.0273ドルを上抜けて一時1.0278ドルまで上値を伸ばした。声明では「今後の会合で、金利のさらなる正常化が適切に行われるだろう」との見解が示された。
ただ、ラガルドECB総裁が理事会後の会見で「ECBは利上げを加速する」としながらも、「最終的な金利水準は変えない」と述べ、利上げが終了する金利水準は変わっていないことを明らかにすると一転ユーロ売りが優勢に。22時30分前には一時1.0154ドルと日通し安値を更新した。また、イタリアではマッタレッラ大統領がドラギ首相の辞表を受理し、議会の解散を表明。9月25日に総選挙が実施される見通しとなった。イタリアの政局不安もユーロの重しとなった。
もっとも、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。ロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン「ノルドストリーム1」の運営会社はこの日、10日間の定期メンテナンスを終えてドイツへのガス供給が再開したと発表。欧州のエネルギー供給不安が和らぎユーロ買い戻しを誘った。米長期金利の低下に伴うドル売りも入り、取引終了間際には1.0233ドル付近まで持ち直す場面があった。
・ドル円は3日ぶりに反落。日銀が大規模金融緩和の維持を決めたことで、日本時間夕刻には138.88円まで上昇する場面もあったが、NY市場ではさえない展開となった。7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が▲12.3と予想を大きく下回り、2020年5月以来の水準まで悪化したほか、6月米景気先行指標総合指数が前月比0.8%低下と予想より弱い内容となったことが円買い・ドル売りを促し、取引終了間際に一時137.30円と日通し安値を付けた。バイデン米大統領が新型コロナウイルス検査で陽性と判定されたことや、米10年債利回りが一時2.86%台まで急低下したことも相場の重し。
・ユーロ円は小幅続落。21時30分前に一時142.32円と日通し高値を付けたものの、そのあとはユーロドルの失速やドル円の下落につれた売りが出て、4時30分前に一時140.14円と日通し安値を付けた。
・南アフリカランドは上昇。南アフリカ準備銀行(SARB)はこの日、政策金利を0.75%引き上げることを決めたと発表。市場予想(0.50%利上げ)を上回る利上げ幅となったことで、全般ランド買いが進んだ。対ドルでは一時16.9980ランド、対円では8.13円まで値を上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸。米長期金利の低下を受けて高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが集まった。アップルやセールスフォース、マイクロソフトなどが上昇した。受注関連の発表が相次いだボーイングや18日に好決算を発表したゴールドマン・サックスも堅調だった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日続伸。四半期決算が好感された電気自動車のテスラが一時10%を超す大幅高となった。
・米国債券相場で長期ゾーンは上昇。この日発表の7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数、6月米景気先行指標総合指数が予想より弱い内容となったことで、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、ポジション調整目的の買いも入った。
・原油先物相場は大幅続落。ECBの利上げが開始されたことで欧州の景気後退懸念が広がり、リスク回避目的の売りが出た。また、ロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン「ノルドストリーム1」の点検が終了し、ドイツへのガス供給が再開されたことに伴い、欧州のエネルギー供給不安が後退したことも相場の重しとなった。
・金先物相場は反発。米長期金利の低下を背景に外国為替市場ではドル売りが進み、ドル建てで取引される金の割安感に着目した買いが入った。また、ECBの大幅利上げを受けて、欧州の景気減速懸念が意識されたことも安全資産とされる金需要を高めた面もある。