当コラムでは「IG証券」のデモ口座で株価指数・FX・コモディティなどをトレードし、売買のタイミングや結果などを公開。証拠金は各100万円スタート。「IG証券」は「FX口座」「株価指数口座」「商品口座」「個別株口座」「債券先物口座」「その他口座」と多様な資産クラスがワンストップで提供されています。
注目のFOMC、今年の利下げ予想1回に減少
米連邦準備理事会(FRB)は今週11-12日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場予想通りFFレートの誘導目標を5.25-5.50%に据え置くことを決めました。声明では「インフレ率はこの1年で緩和したが、依然高止まりしている」と強調したうえで、「ここ数カ月は2%の物価目標に向けた緩やかながらもさらなる進展があった」と指摘。前回の「一段の進展は見られていない」から表現を改めました。
政策金利見通し(ドット・チャート)では2024年末時点の中央値が4.6%から5.1%へ上方修正され、年内の利下げ予想回数は前回3月の3回から1回に減少。25年末は3.9%から4.1%へ上方修正された一方、26年末は前回の3.1%から据え置きとなりました。なお、長期的な水準は2.6%から2.8%に修正されています。
*FRBのホームページより
なお、パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で「インフレは大幅に緩和したが、依然として高すぎる」「インフレに対する信頼を高めるには、より良いデータが必要」「FRBはインフレのリスクを引き続き大いに注視している」などと発言しています。
*Trading Viewより
ドル円は4月29日に160.17円と1990年4月以来34年ぶりの高値まで急伸しましたが、そのあとは政府・日銀による為替介入とみられる動きで5月3日には151.86円まで一転下落しています。政府・日銀による介入とみられる円買いの動きは4月29日の午後と1日のFOMC後である日本時間2日の早朝の2回。介入額は過去最大の9.8兆円となっています。
ただ、そのあとは再びじり高の展開となり、昨日14日には158.26円まで上昇し、介入前の水準に戻った形となっています。
*Trading Viewより
投機筋の円売りポジション、変動が徐々に小さく
ヘッジファンドによる円売りポジションは政府・日銀による為替介入があったとみられる4月29日以降、減少傾向にありましたが、ここにきてポジションの増減幅が縮小しているようです。米商品先物取引委員会(CFTC)が4月26日に発表した4月23日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の売り越し=ドル円のロングは17万9919枚と2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録。円先物が導入された1986年以来でも屈指の規模となりました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
その後、5月17日に発表された14日時点の建玉報告によると、投機筋の円売りポジションは12万6182枚と4月23日時点の17万9919枚から5万3737枚減少しましたが、そのあとは変動幅が徐々に小さくなっており、13日発表の11日時点の建玉報告では13万8579枚となっています。
もっとも、ポジションの変動幅は小さくなっているとはいえ、円売りポジションの水準自体はいまだに13万枚超と高水準にあります。きっかけ次第ではポジションの巻き戻しが起こり、円高方向への急な動きを誘発する可能性もあります。
ドル円の一目均衡表チャート
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(157.40円)で雲の上限155.21円を上回っています。また、転換線156.40円や基準線155.93円も上回っており、テクニカル的にも上サイドへの期待が高まります。
*Trading Viewより
このところ政府関係者から円安に対する目立ったけん制発言はなく、為替介入については「『警戒』より『期待』の側面が強い」との声が聞かれており、円キャリー取引を後押しする要因となっています。今週のビッグイベントであるFOMCや米CPI、日銀金融政策決定会合を通過したことで来週以降はファンダメンタルズ=円安・ドル高に沿った動きが予想されます。
【免責事項・注意事項】
本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。