約4年ぶりのREIT新規上場
東京証券取引所は2025年7月9日に、REITの新規上場を承認しました。
新規承認されたREITは「霞ヶ関ホテルリート投資法人」、株式市場に上場している霞ヶ関キャピタル(3498)系のREITとなります。コードは401A、上場予定日は2025年8月13日となります。
これより前のREITの上場は、2021年6月22日の東海道リート投資法人(2989)までさかのぼります。約4年ぶりにREIT市場に新規銘柄が上場することになります。
スポンサーの株価にも好影響
霞ヶ関キャピタルは不動産コンサルティング事業を展開しており、ホテルのほか、物流施設やヘルスケア施設にも力を入れています。上場する霞ヶ関ホテルリートに関しては、ホテルに特化したREITとなる予定です。
今回、REITの上場承認を発表した霞ヶ関キャピタルの株価にも強い動きが見られました。
7月10日には1万7730円まで上昇しており、年初来高値を更新しています。
既存のホテル系REITも軒並み上昇
そして、興味深いことに、足元ではジャパン・ホテル・リート(8985)、星野リゾート・リート(3287)、インヴィンシブル(8963)、日本ホテル&レジデンシャル(3472)など、ホテルをポートフォリオに含む他のREITにも強い動きが見られました。
他の属性と比べてもホテル系REITの動きの良さが目立っています。
この中で、日本ホテル&レジデンシャルに関しては、7月4日に25.11期の見通しを上方修正しており、先んじて大きく上昇していました。その日本ホテル&レジデンシャルも決算で買われた後に一段高となっており、新規上場に関するニュースがホテル系REITに資金を呼び込んだようにも見えます。
新しい銘柄が出てくると、その銘柄の購入に備えて同じ属性の既存銘柄は売られるといった動きが出てきても不思議はありませんが、今回はそうはなりませんでした。実際に上場した後はホテル系の中で優劣がつく可能性はあるものの、選択肢が増えることがホテル系REITの人気を高めるといったプラスの効果にも期待が持てます。
REIT全体にもプラスの影響
REIT指数は昨年12月にボトムを打った後、2025年に入ってからは基調が上向きになっています。最近では日米の長期金利が上昇する場面も多くなっていますが、そのことがそれほどREITに悪影響を及ぼしてはいません。7月に入ってからは節目の1800pより上で推移することも多くなっています。
そのようなタイミングで久々に新規上場の話が出てきたことは明るい材料と言えます。パフォーマンスが良くなる中で銘柄数が増えてくれば、REITに注目する投資家が増えてくると期待できます。この後に続く新規REITが出てくるかどうかが注目されます。