物価高が続く今、株主優待で食品を贈呈している企業が注目されています。今回は、「カゴメ」と「フジオフード」の株主優待について、内容の詳細や実際にいつ届くのか、そして改悪や廃止の噂の真偽についてもご紹介します。
カゴメ(2811)
カゴメは、ケチャップなどのトマト加工品や野菜ジュースを製造・販売する企業です。また、トマトの品種改良やスマート農業導入などの農業支援、機能性野菜や野菜摂取促進のためのマーケティング戦略なども行っています。
カゴメの株価
2025年5月時点の株価は約3000円です。2015年までは約2000円以下だった株価は、2016年頃から上昇し始め、2017年には約4000円の高値が付きました。その後は現在に至るまで、約2000円から約4000円の間で大きな株価変動が何度も発生しています。
カゴメの配当は12月の期末決算
2025年度の配当金は、12月末の期末配当にて、年間1株当たり48円となる予想です。2019年度の35円、2020年度の36円、2021年度の37円、2022年度の38円、2023年度の41円、2024年度の57円と5期連続で増配していましたが、残念ながら今年度は減配となっています。
カゴメの株主優待は?2025年度はいつ届く?
カゴメの株主優待は、毎年6月末の権利確定日に、100株以上の株式を半年以上継続して保有する株主に対して、株式の保有数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、自社商品の詰め合わせです。
また、10年以上継続して保有する株主には、カゴメオリジナル記念品が10年を迎えた年に限り1度だけ贈呈されます。株式の保有数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
なお、2025年度の株主優待がいつ届くかは、現時点で未定です。毎年10月中に届けられていますが、事前にホームページにてお届け日が公開されています。
株主優待内容はどこが改悪された?
2019年6月末の権利確定日から、半年以上継続して保有する条件が追加されました。また、贈呈回数がこれまで6月末と12月末の年2回から、6月末の年1回に変更となっています。2回分の贈呈内容が1回に統合されたため、贈呈内容の相当額に変更はありません。
しかし、継続保有条件の追加と、配当金と株主優待の権利確定日が分かれたことにより、一部の投資家からは改悪と受け取られる可能性があります。
カゴメの利回り
1株3000円で100株購入した場合、投資金額は30万円です。配当金は4800円となり、配当利回りは約1.6%になります。また、半年以上継続して保有すると、約2000円相当の株主優待が贈呈されるため、優待利回りは約0.6%、配当と優待を合わせた利回りは約2.3%になります。株式の保有数に応じた優待利回りの一覧は、下記の表をご参考ください。
フジオフードグループ本社(2752)
フジオフードグループ本社(以下、フジオフード)は、「まいどおおきに食堂」や「串家物語」など様々なジャンルの飲食店を、全国に700店舗以上経営する企業です。直営店で培ったノウハウを活かし、フランチャイズ店の運営や海外での飲食店展開なども行っています。
フジオフードの株価
2025年5月時点の株価は約1200円です。2011年までは200円以下で推移していた株価が、2012年頃から右肩上がりとなり、2019年には約1800円まで上昇しました。2020年から2024年までは約1400円前後で小さな変動を繰り返していましたが、2025年に入り一時約1000円まで下落しています。
フジオフードの配当は12月の期末決算
2025年度の配当金は、12月末の期末配当にて、年間1株当たり3円となる予想です。2022年度と2023年度はそれぞれ無配当でしたが、2024年度は2円配当されており、2025年度は2期連続で増配となっています。
選べる株主優待の内容とは?2025年度はいつ届く?
フジオフードの株主優待は、毎年6月末と12月末の権利確定日に、100株以上の株式を保有する株主に対して、株式の保有数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、お食事券もしくは自社商品から選択可能です。
お食事券は、フジオフードが運営する全ての店舗で利用できます。株式の保有数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
なお、2025年度の株主優待の発送時期は、6月末の権利確定日分は9月に申込書が届き、11月頃に商品が発送されます。12月末の権利確定日分は、翌1月末に申込書が届き、4月頃に商品が発送される予定です。
株主優待が廃止されるって本当?
フジオフードの株主優待は、現時点で廃止や改悪の予定はありません。噂の原因は、コロナ前から利益が下落し、コロナ以降は赤字経営が続いていることです。2024年12月の権利確定日前に株価が下落したことから、このまま経営が悪化し株価の下落が続けば、株主優待が廃止されるのでは?と噂されています。
フジオフードの利回り
1株1200円で100株購入した場合、投資金額は12万円です。配当金は300円のため、配当利回りは約0.3%となります。また、年間約6000円相当の株主優待が贈呈されるため、優待利回りは約5.0%、配当と優待を合わせた利回りは約5.3%になります。株式の保有数に応じた優待利回りの一覧は、下記の表をご参考ください。
まとめ
「カゴメ」と「フジオフード」の株主優待についてご紹介しました。
カゴメは贈呈内容に変更はないものの、条件が追加・変更されたことで使いづらくなっています。また、フジオフードは現時点で改悪・廃止には至っていないものの、業績悪化が続いている点には十分注意が必要です。
株主優待銘柄をチェックする際は、お得さに惹かれるだけでなく、「続く優待かどうか」も見極める目を持ちたいですね。