10日のNY株式相場はおおむね上昇。注目された米4月消費者物価指数(CPI)の伸び率が市場予想を下回ったことで米国債利回りが低下し、ハイテク株を中心に上昇した。
ただ、景気減速懸念や債務上限問題などが意識され、エネルギー、金融、資本財などの景気敏感株の下落が上値を圧迫した。
ダウ平均は朝方に210ドル高まで上昇後、322ドル安まで反落し、30.48ドル安(-0.09%)と小幅に3日続落して終了。
一方、S&P500は0.85%高まで上昇後、0.49%安まで下落したが、0.45%高で終了。
ハイテク株主体のナスダック総合は終日プラス圏で推移し、1.04%高で終了した。
ダウ平均採用銘柄は、セールスフォース、マイクロソフト、アップルが1%超上昇したものの、アメリカン・エキスプレスが3%超下落したほか、シェブロン、ナイキ、ウォルト・ディズニーも1%超下落しダウ平均を押し下げた。
寄り前に発表された米4月CPIは前年比+4.9%となり、前月分や市場予想の+5.0%を下回った。前月比では+0.4%と前月分の+0.1%から伸びが加速したものの、市場予想と一致した。
変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前年比+5.5%、前月比+0.4%となり、ともに予想と一致した。
CPIの結果を受けて米10年債利回りは前日の3.52%台から3.43%台に低下。
政策金利の動向に敏感な米2年債利回りも前日の4.02%台から3.91%台に低下した。
投資家の不安心理を示すVIX指数は16.94ポイントと前日比0.77ポイント低下した。
引け後に決算を発表したウォルト・ディズニーは時間外で4%超下落。
売上高が予想をわずかに上回り、調整後の一株当たり利益が予想と一致したものの、「ディズニー+」の会員数の減少などが嫌気された。