NYダウ115ドル高と続伸 債務上限問題への懸念後退が追い風

18日のNY株式相場は続伸。米連邦準備理事会(FRB)高官からの利上げ継続を示唆する発言が重しとなる場面もあったが、米債務上限問題を巡る与野党協議の合意期待が支援となった。


小売り大手のウォルマートが予想を上回る決算を発表したことや通期見通しを引き上げたことも安心感につながった。


ダウ平均はおおむねマイナス圏で推移し、一時208ドル安まで下落したが、終盤に159ドル高まで上昇し、115.14ドル高(+0.34%)で終了。

S&P500はおおむねプラス圏で推移し、0.94%高で終了。

ハイテク株主体のナスダック総合は終日プラス圏で推移し、1.51%高とほぼ高値引けとなった。


主要3指数はそろって2日続伸し、S&P500とナスダック総合は昨年8月以来の高値で終了した。


S&P500の11セクターは不動産、生活必需品、公益、ヘルスケアのディフェンシブ4セクターが下落した一方、ITの2.06%高を筆頭に7セクターが上昇。コミュニケーション、一般消費財も1.5%超上昇した。


個別ではネットフリックスが9.22%高となったほか、半導体のエヌビディア、AMDが4%超上昇した。


ローガン米ダラス連銀総裁が利上げ停止について否定的な見解を示し、ブラード米セントルイス連銀総裁が利上げ継続を支持すると発言したことで、金融引き締めの長期化による景気悪化が懸念された。


一方、債務上限問題を巡っては、米共和党のマッカーシー下院議長が与野党協議の合意について楽観的な見方を示したことでデフォルト懸念が後退した。


投資家の不安心理を示すVIX指数は前日比-0.82ポイントの16.05ポイントと、4月28日以来の低水準となった。



国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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