先週の米国株はダウ平均とS&P500が3週ぶりに反発し、ナスダック総合は大幅に4週続伸
先週の米国市場では、ダウ平均が0.4%高、S&P500が1.6%高とともに3週ぶりに反発し、ナスダック総合は3.0%高と大幅に4週続伸となりました。
米債務上限を巡る与野党協議をにらんで神経質な展開となりましたが、ITやコミュニケーションなどのグロース株の上昇が相場をけん引しました。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が地銀などの信用不安を理由に追加利上げが必要ないかもしれないと発言し、利上げ打ち止め期待が高まったことも株式相場の支えとなりました。
S&P500の11セクターは7セクターが上昇し、4セクターが下落。ITが4.2%高、コミュニケーションが3.1%高と大幅に上昇したほか、一般消費財が2.6%高、資本財が1.2%高となり、エネルギーと素材も0.7-0.9%高となりました。
一方、公益が4.4%安と大幅に下落したほか、不動産が2.4%安、生活必需品が1.7%安、ヘルスケアが0.7%安と、ディフェンシブ・セクターが軒並み安となりました。
弱い見通しが嫌気された小売り大手株が下落
企業の第1四半期決算は、先週はS&P500採用の15銘柄が発表し、このうち80%の12銘柄で調整後の一株当たり利益が市場予想を上回りました。
予想を上回る決算が好感されたバス&ボディ・ワークス、シノプシスが週間で2桁高となったほか、テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエア、アプライド・マテリアルズ、キーサイト・テクノロジーズなども決算や見通しが好感され8-9%上昇しました。
このほか、前週に30%超急落したキャタレントは、利益が予想を下回ったものの、17.4%高と反発しました。
一方、注目された小売り大手は、弱い見通しが嫌気されたターゲットが3.6%安、ウォルマートが2.1%安となり、利益が予想を上回ったものの、通期見通しを引き下げたホーム・デポは0.1%高と僅かな上昇にとどまりました。
ナスダックが大幅高 アップル、マイクロソフトは最高値更新が視野入り
先週もハイテク株優位の展開が続きました。ナスダック総合は年初来で21.5%高となり、S&P500の9.2%高、ダウ平均の0.4%高を大きくアウトパフォームしました。
ナスダック総合の構成比上位銘柄の年初来上昇率を見ると、時価総額最大のアップルが34.8%高、2位のマイクロソフトが32.7%高、3位のアルファベットが39.8%高、4位のアマゾン・ドット・コムが38.4%高とそろって30%超の急伸となりました。
時価総額5位のエヌビディアは113.9%高、同6位のメタ・プラットフォームズも104.1%高と、ともに株価が年初から2倍以上になりました。時価総額ランキングが7位に低下したテスラも46.2%高となりました。
ハイテク・ジャイアントの多くは2021年に上場来高値を付けた後、2022年に大きく反落しましたが、アップル、アルファベット、メタ・プラットフォームズは52週高値を更新し、アップル、マイクロソフトは最高値更新が視野入りしました。