先週の米国株はダウ平均が反落した一方、S&P500が2週続伸し、ナスダック総合が5週続伸
先週の米国市場は主要3指数が高安まちまちとなりました。ダウ平均が1.0%安と反落した一方、S&P500が0.3%高と2週続伸し、ハイテク株主体のナスダック総合は2.5%高と大幅に5週続伸となりました。
米債務上限引き上げを巡る与野党協議に進展がなかったことで、米国のデフォルト懸念が重しとなりましたが、予想を上回る決算や強い見通しが好感された半導体のエヌビディアが急伸し、ハイテク株の上昇をけん引しました。
S&P500の11セクターは、ITが5.1%高、コミュニケーションが1.2%高、一般消費財が0.4%高となりS&P500をアウトパフォームした一方、生活必需品が3.2%安、素材が3.1%安となったほか、ヘルスケア、公益が2%超下落し、金融、資本財、不動産、エネルギーも1%超下落しました。
決算発表銘柄はエヌビディアが急伸し上場来高値を更新
終盤戦を迎えた米企業の第1四半期決算は、先週はS&P500採用の15銘柄が発表し、そのうち80%の12銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回りました。
予想を上回る決算や強い見通しが好感されたエヌビディアが週間で20%超の急伸となったほか、利益が予想を上回ったベストバイが5.4%高となり、ラルフ・ローレン、コストコ・ホールセールも2-3%高となりました。
一方、決算や見通しが嫌気されたアルタ・ビューティーが14.4%安、ダラー・ツリーが11.0%安と急落したほか、メドトロニック、アナログ・デバイセズ、オートゾーン、アジレント・テクノロジー、インチュイトなども6-8%安と大幅に下落しました。
エヌビディアの株価は25日の取引で前日比74.42ドル高(+24.4%)の379.80ドルと急伸し、1年半ぶりに上場来高値を更新。26日も2.4%高と続伸し、週間では24.6%高、年初来では166.5%高(2.7倍)となりました。
時価総額は9600億ドルを超え、アップル(約2兆8000億ドル)、マイクロソフト(約2兆5000億ドル)、アルファベット(約1兆6000億ドル)、アマゾン・ドット・コム(約1兆2000億ドル)に次いでの「1兆ドルクラブ」入りが目前となりました。
エヌビディアの第1四半期はデータセンター向けが好調 ゲーミング向けも回復
エヌビディアが24日引け後に発表した2024年度第1四半期(2-4月)決算は、売上高が前年同期比13%減の71億9200万ドルとなりましたが市場予想の65億2100万ドルを上回りました。
純利益も同21%減の27億1300万ドルとなりましたが、調整後の一株当たり利益は1.09ドルと市場予想の0.92ドルを上回りました。
製品別の売上高は、人工知能(AI)分野を含むデータセンター向けが前年同期比14.2%増、前四半期比18%増の42億8400万ドルとなり、過去最高を記録しました。
自動運転などのオートモーテォブも前年同期比15%増の2億9600万ドルと好調でした。
一方、ゲーミングは前四半期比22%増の22億4000万ドルとなり、3四半期連続で増加しましたが、前年同期比では38%減となりました。
このほか、プロフェッショナル・ビジュアライゼーションが53%減の2億9500万ドル、OEMが51%減の7700万ドルとなりました。
エヌビディアの5-7月の売上高見通しは市場予想を上回り、粗利益率見通しは70%に上昇
データセンター向けが過去最高を記録し、ゲーミング向けも3四半期連続で回復したことに加え、強い見通しも好感されました。
エヌビディアは第2四半期(5-7月)の売上高見通しを前年同期比64%増となる110億ドル±2%とし、市場予想の108.9億ドルを上回りました。
調整後の粗利益率は69.5-70.5%と、2023年度第4四半期の66.1%、2024年第1四半期の66.8%を上回る強い見通しを示しました。
アナリストが目標株価を大幅に引き上げ
決算発表を受けてアナリストの投資判断や目標株価の引き上げが相次ぎました。
リフィニティブが集計するアナリスト48人の投資判断は、「強気買い」が1カ月前の13人から15人に増加し、「買い」も23人から24人に増加。「保有」は12人から9人に減少し、「売り」や「強気売り」としたアナリストはいませんでした。
目標株価の平均値は3カ月前の247.35ドル、2カ月前の269.83ドル、1カ月前の288.05ドルから足もとでは435.00ドルに上昇しました。