31日のNY株式相場は下落。引け後に米下院で予定される米債務上限引き上げ法案の採決を控えた様子見姿勢が強まる中、月末の取引で、月初から大きく上昇したエヌビディアなどのハイテク株を中心に利益確定売りが強まったことも重しとなった。
ダウ平均は終日マイナス圏で推移し、134.51ドル安(-0.41%)と2日続落して終了。
中国の経済指標が悪化したことや、4月JOLTS求人件数が予想を上回る強い結果となり利上げの長期化見通しが強まったことで一時、303ドル安まで下落したが、ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)理事などが6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ見送りを指示すると発言したことで下落幅を縮小した。
前日にほぼ横ばいとなったS&P500も0.61%安で終了し、ハイテク株主体のナスダック総合は0.63%安と4営業日ぶりに反落した。
5月月間では、ダウ平均が3.49%安と3カ月ぶりに反落した一方、S&P500が0.25%高と3カ月続伸し、ナスダック総合は5.80%高と大幅に3カ月続伸した。
業種別では公益、ヘルスケア、不動産などS&P500の4セクターが上昇し、エネルギー、資本財、金融、素材、IT、一般消費財など7セクターが下落した。
ダウ平均採用銘柄は強い見通しが好感されたインテルが4.83%高となったほか、ベライゾン、セールスフォースが2%超上昇・一方、ホーム・デポが3.06%安となったほか、3M、トラベラーズ、ゴールドマン・サックスが2%超下落し、キャタピラー、シェブロン、ハネウエルも1.5%超下落した。
個別では予想を下回る決算や減配などが嫌気されたアドバンス・オート・パーツが35%安と暴落したほか、足もとで急伸したエヌビディア、アドバンスト・マイクロ・デバイセズがともに6%近く下落した。
金融政策の見通しを巡っては、CMEのフェド・ウォッチが示す6月FOMCでの政策金利据え置き確率は前日の33%から65%に上昇した。