失業給付の支給要件見直しへ
政府は5月16日、労働市場改革に向け、失業給付や休業手当の仕組みの見直しなどの指針を示しました。
失業給付に関しては、今は自己都合で離職する場合、支給開始まで2カ月以上かかりますが、申請時から遡って1年以内に学び直しに取り組んでいたことなどを条件に7日間程度に早めるとしています。
失業給付の見直しの狙いとして、働き手に学び直しを促し、新たなスキルを身につけることを挙げています。
5月17日付けの日本経済新聞朝刊によると、学び直しに関しては、中小企業診断士、介護職員研修、Webクリエーター、大型自動車免許など幅広い内容が見込まれています。今後、労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)で制度設計を詰めていく予定となっています。
資格取得では実績のあるTAC
今後、スキルアップを図る社会人の増加が予想されます。
そこで学び直しに関連する銘柄への注目度が高まりそうです。
資格取得という観点では、TAC(4319)が代表格となります。
会計・法律分野の「資格の学校」をはじめ、公認会計士や税理士などの士業、証券アナリストなどの金融系といった様々な資格スクールを展開しています。
これまで資格取得の実績に加え、講師陣のレベルの高さなどが好評であることから、受講者数の増加が見込まれそうです。
スキマ時間に学習が可能
TACは教室講座が中心であるのに対し、KIYOラーニング(7353)では個人向けオンライン資格講座「STUDYing(以下、スタディング)」を展開しています。
「1動画5分から」と自宅や移動中などスキマ時間を使って学習することができます。
開講している講座はビジネス・経営からIT、医療など幅広い資格に対応しています。
特徴としては、試験日までの学習フローに加え、AIが学習の最適なタイミングを提示するなどのサポート機能が付いています。
さらに、試験に出題されやすい内容に絞った学習内容となり、挫折せずに着実に得点力アップを実感することができることも特徴となります。
同社ホームページによると、続けやすさ実感度や動画満足度は9割程度と非常に高いです。
低価格で高品質な講座を提供していることも魅力となり、自分自身のベースで学習したい方は「スタディング」を利用して良いかもしれませんね。
IT人材育成の需要増が見込まれる
ヒューマンホールディングス(2415)では、教育事業でリカレント教育に関する講座を開設しており、WEBデザイン講座などIT・WEB業界を目指す方に向けた講座を開講しています。
企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)化の加速を目指すなか、IT人材は圧倒的に不足していると言われています。
経済産業省によると、2030年にはIT人材が最大で約79万人不足する見通しを示しています。
同社を含め、IT人材の育成を掲げるスクールの需要は一段と高まるものとみられます。
また同社は日本語教育にも注力しています。
今後、留学生や外国人労働者の増加が予想されるなか、政府は日本語教育の質の向上を目指しています。
日本語学校は増加しているが、教育内容などにばらつきがあるなどの問題点が指摘されています。
2024年4月以降、日本語の教師には新設する国家資格の取得を義務受ける方針を表明しました。
同社では日本語教育の養成講座を開講しており、受講者数の増加が予想されます。
スキルアップが求められる時代へ
その他には、パソコン講座AVIVAを運営するリンクアンドモチベーション(2170)、英語学習者の支援サービスを提供するプログリット(9560)があります。
AVIVAでは、プログラミングやPCスキルなどを習得することができます。
プログリットでは、ビジネス英会話コース、TOEIC L&R TESTコースなど4つのコースが用意されています。
今後はロボット化やチャットGPTなど生成AIの進化が予想され、自身のスキルアップが一段と求められる時代に突入すると考えています。
今から新たに身につけるスキル、そのスキルをつけるための講座を検討し始めて良いのではないでしょうか。